一瞬だけどいた！ 『ドラゴンボール』原作以外にアニメにも出てた「ドラクエキャラ」たち

■死後の世界だからこそ登場した『ドラクエ5』の有名キャラ

　アニメ作品には、制作側の「遊び心」がたびたび反映されることがあります。たとえば1979年から放送された『機動戦士ガンダム』のワンシーンに「鉄人28号」、ジブリ作品である1994年公開の『平成狸合戦ぽんぽこ』には、『魔女の宅急便』の「キキ」や『となりのトトロ』の「トトロ」といった隠れジブリが描かれていました。こういった「隠れ○○」を見つけたときは、視聴者としても嬉しいものです。

　2024年10月にシリーズ最新作『ドラゴンボールDAIMA』の放送を控えている、TVアニメ「ドラゴンボール」シリーズにおいても、隠れキャラがたびたび描かれていました。作者である鳥山明先生がキャラクターデザインを務めた、大人気RPG「ドラゴンクエスト」シリーズのキャラが登場していたのです。

　原作マンガでも初期の方で、「バラモス」「ギガンテス」「アークデーモン」など数々のドラクエモンスターらしきキャラたちが登場していましたが、アニメ版は人間の人気キャラが多々出てきました。

　たとえば『ドラゴンボールZ』の第34話「撃てクリリン！願いをこめた元気玉」には、1989年から放送が始まった『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』のヒロイン「ティアラ」が描かれています。地球に襲来した「ベジータ」と対峙した「孫悟空」が、何とか完成させた元気玉を「クリリン」に引継ぎ、クリリンが投げる直前のシーンでは、元気玉を悟空に教えた「界王様」がクリリンに「その元気玉は地球中の願いを込めた玉」と伝えていました。

　そして、クリリンのバックにたくさんの地球人が描かれており、そのなかにティアラらしき女性がいます。ターバンの色が違うものの、独特な民族衣装にそっくりなビジュアルはティアラそのものでした。

　ほかにも、199話「逃すな勝利!!決めろ超速かめはめ波」で繰り広げられた、「あの世一武道会」での悟空と「パイクーハン」との一戦では、悟空が勝利した直後のシーンに『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』の「パパス」が登場しています。ちなみに、この場面では、鳥山先生自身をキャラ化した「鳥山ロボ」も確認できました。悟空の胴着と似た服装でしたが、『ドラゴンボール』に合わせた衣装だったのでしょうか。

　また「隠れパパス」は、196話「あの世一はオラだ!! 歴代の勇者大集合」にも、あの世の勇者たちが集まった場面で登場しています。もちろん「パパスに似たキャラ」という可能性もありますが、彼は『ドラクエ5』において死んでしまうため、死後の姿が描かれたと思えば、ファンにとって感慨深いものがあります。

『ドラクエ5』のキャラといえば、花嫁候補のひとりである「ビアンカ」も、第241話「悟天トランクス全世界に指名手配」に登場していました。「魔人ブウ」が「バビディ」とともに街に降り立ち、ブウがケーキ店に立ち寄ると、そのなかの店員がビアンカにそっくりだったのです。ワンシーンだけでなく、何度も登場しており、ビアンカの特徴的な髪型であるサイドテールを見て気付いたファンも少なくないでしょう。

　ちなみにTVアニメシリーズだけでなく、劇場版の『ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』においても、『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の「トルネコ」が一瞬だけ登場していました。

　同作の親玉である幻魔人「ヒルデガーン」が街を襲った際、逃げ惑う人たちのなかにトルネコの姿を確認できます。トレードマークであるえんじ色の帽子とベスト、青っぽい髪とヒゲ、ふくよかな体型……その姿はまさにトルネコです。映る時間は1秒もないくらいなので、動画配信サービスなどで確認する際は、よく目を凝らして観た方がいいかもしれません。

　こういった制作側の遊び心は、最新作『DAIMA』にも反映されることはあるのでしょうか。2024年3月に他界された鳥山先生に対する追悼の念も込めて、またドラクエキャラが描かれる可能性もあるかもしれません。

（LUIS FIELD）