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伊黒さん嫌い←分かってないな… 『鬼滅の刃』蛇柱の“ネチネチ”に隠された生真面目さと優しさ

マグミクス / 2024年9月15日 6時40分

伊黒さん嫌い←分かってないな… 『鬼滅の刃』蛇柱の“ネチネチ”に隠された生真面目さと優しさ

■伊黒の「ネチネチ」の裏を深読み

 9月15日は「蛇柱」である「伊黒小芭内」の誕生日です。伊黒といえば、初登場だった柱合裁判の場で「水柱」の「冨岡義勇」のことをネチネチ責めたり、「竈門炭治郎」を息ができないほど押さえつけたりしたこともあり、嫌われがちなキャラクターでした。「恋柱」である「甘露寺蜜璃」が「しつこくてステキ」とキュンキュンしても、彼女に同意する読者や視聴者は、この時点ではほぼ皆無だったと思われます。

 しかし、物語が進むほどに、伊黒の印象は変わります。「柱稽古編」冒頭の「風柱」の「不死川実弥」と共闘したアニメオリジナルエピソードで「蛇の呼吸」と「風の呼吸」の技が初披露されると、「エフェクトすごすぎ!」「神作画!」とネット上では大いに盛り上がり、X上でも放送開始10分で「#鬼滅の刃」がトレンド1位、「アニオリ」がトレンド2位になったほどです。蜜璃との恋愛要素も伊黒の新しい一面を見せました。

 今回は、いまや「カッコイイ」だけでなく、「かわいい」とも言われる伊黒の「ネチネチ」の裏に隠された「生真面目さ」や「優しさ」について考えます。

 伊黒の生真面目さは初登場となる「柱合裁判」での発言からも読み取れます。「炎柱」の「煉獄杏寿郎」や、「音柱」の「宇髄天元」たちが「鬼」である「禰豆子」とその存在を隠していた兄の炭治郎の処分を口にするなかで、伊黒だけが冨岡義勇の責任を追及しました。

 鬼になった禰豆子を見逃した時点で、義勇は重大な隊律違反を犯しています。そして炭治郎に鬼殺隊への道筋をつけてやり、入隊後も禰豆子の帯同を黙認していたことも許しがたい罪です。義勇がほかの柱たちはおろか、鬼殺隊の「お館様」である「産屋敷耀哉」にすら相談や報告をしていないことも大問題でした。鬼殺隊の根底を揺るがすほどの隊律違反を犯したのが義勇という「柱」であったからこそ、伊黒は同じ「柱」のひとりとして、「柱としての責任感」と「職務に対する生真面目さ」から、厳しく言及したのでしょう。

 伊黒は義勇について、「嫌い。拙者不幸でござるみたいな顔しててムカつく」(『鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』より)と言っていますが、この「柱合裁判」の場での彼の態度は、ただの「好き嫌い」からではありません。「どう処分する? どう責任を取らせる? どんな目に合わせてやろうか?」という畳みかけるセリフからは、まず「隊」としての対応、そして義勇の「責任」に言及し、最後に感情を含んだ言葉をぶつけています。言葉の選び方にも、彼の生真面目さがにじみ出ているといえるでしょう。

■ジワジワしみてくる伊黒の「優しさ」も

デフォルメした伊黒小芭内を立体化した「Figuarts mini 伊黒小芭内」(BANDAI SPIRITS) (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 そして物語が進むにつれ、ジワジワと心にしみてくるのが、伊黒の「優しさ」です。特に「刀鍛冶の里編」第10話の蜜璃にニーソックスをプレゼントするエピソードは、かなりの破壊力でした。あえて顔をそらしてニーソを渡すところや、「絶対、大事にするね」と話す蜜璃に向き直って「破れたら、また新しいのやる」という言葉に優しさを感じます。

 このように伊黒が気になってきたら、それまでの彼の言動にいちいち「優しさ」が隠れていることに気付いてしまいます。「遊郭編」最終話では、「上弦の陸」との戦いで重傷を負った天元の前に立ち、「ふうん、そうか。ふーん、陸ね。一番下だ。上弦の……」と、じっとりネチネチ言う伊黒に、天元の3人の妻たちはイライラムカムカを隠せませんでした。

 しかし、その言葉の底にある優しさに気付いたファンは、彼が「危険も顧みず駆けつけた」ことや「褒めてやってもいい」という言葉の裏に、実は天元の力を認め、励ましていることにも気付くのではないでしょうか。さらに、伊黒が炭治郎たち若手のことを心配し、気にかけていることも分かります。

 そして、話題になった「柱稽古編」の冒頭のアニオリでは、廃城に潜む鬼の数や一般隊士たちの苦戦ぶりを見ると、「おまえたちは帰れ。この先は風柱と俺で行く」と隊士たちを帰しました。これは若手が「死に過ぎる」ことを憂いていた伊黒の優しさにほかなりません。煉獄さんも言っていましたが、「柱ならば後輩の盾となるのは当然だ」「若い芽は摘ませない」という思いは一見、冷酷そうにも見える伊黒もやはり同じなのです。

 また「柱稽古編」では、蜜璃と仲の良い炭治郎に、ひたすら当たりが強かった伊黒ですが、そんな姿すら「かわいい」と言われるようになり、特に蜜璃からの手紙を受け取った際の「高速移動」は、見た人たちをほっこりキュンとさせました。

 伊黒は、「無限城編」やその後の市街戦でも、炭治郎の危機を何度も救います。蜜璃とのエピソードや彼の生い立ちにまつわるエピソードも目が離せません。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記

(山田晃子)

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