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『がんばれいわ!!ロボコン』公開へ。特撮史で見逃せない、ロボコンの果たした役割とは

マグミクス / 2020年4月26日 8時10分

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■『がんばれ!!ロボコン』に始まる東映ロボットコメディ路線

 東映は映画『がんばれいわ!!ロボコン』を2020年7月31日(金)に公開することを、この4月に発表しました。

『ロボコン』のオリジナルはNET(現在のテレビ朝日)系列で放送された『がんばれ!!ロボコン』(1974~1977年)。原作は『仮面ライダー』の石ノ森章太郎氏で、ロボット学校の生徒ロボコンが、A級ロボットを目指して人間社会で奮闘する様を描いた特撮ホームドラマです。全118話が製作・放送され、最高視聴率は29.2%を記録しました。

『がんばれ!!ロボコン』以降も、東映はロボットの繰り広げるコメディー作品を世に送り出しました。『がんばれ!!ロボコン』の後番組『ロボット110番』(1977年)を経て、「不思議コメディーシリーズ」(フジテレビ系)の『ロボット8ちゃん』(1981~1982年)や『バッテンロボ丸』(1982~1983年)、『もりもりぼっくん』(1986年)、メタルヒーローシリーズの『ビーロボカブタック』(1997~1998年)、『テツワン探偵ロボタック』(1998~1999年)へと、ロボットコメディー路線は継承されました。

 そして『がんばれ!!ロボコン』から25年の時を経て製作されたのが、『ロボコン』のリメイク版『燃えろ!!ロボコン』(1999~2000年)です。1998年に石ノ森章太郎氏が逝去されたことや、当時香港で起こったロボコンブームをきっかけに製作されました。

『ロボコン』は晩年の石ノ森氏がリメイクを希望していた作品でもあります。ロボコン以外の生徒ロボットは一新され、ロボコンの声優も変更されましたが、ガンツ先生役の野田圭一氏はオリジナルから続投しました。

 メイン監督を務めたのは前作『がんばれ!!ロボコン』の助監督だった坂本太郎監督。坂本監督は『バッテンロボ丸』で監督デビューし、その回の脚本を手がけた浦沢義雄氏との長年のコンビとしてファンには知られ、『燃えろ!!ロボコン』でもタッグを組んでいました。坂本監督が最後に参加した『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011~2012年)でも、浦沢氏とのタッグ回が2本あります。

『がんばれいわ!!ロボコン』の脚本は浦沢氏が手がけ、監督を『仮面ライダークウガ』(2000~2001年)のメイン監督で「平成仮面ライダーシリーズ」の主力監督のひとりである石田秀範氏が担当すると発表されました。石田監督も「ヒデ・I」名義で『燃えろ!!ロボコン』に参加し、浦沢氏が手がけた脚本を計3本演出しています。

 また石田監督が『クウガ』のメイン監督に選ばれたのは、浦沢氏の脚本を忠実に演出した『テツワン探偵ロボタック』第14話「恋する餃子の涙」での映像センスを買われてのことといいます。

■仮面ライダー復活のきっかけとなった『燃えろ!!ロボコン』

平成の第1号ライダーとして知られる『仮面ライダークウガ』。画像は「仮面ライダークウガ マイティフォーム」(メガハウス) (C)石森プロ・東映

『燃えろ!!ロボコン』終了後に同枠で放送されたのが、平成仮面ライダーシリーズの第1作目『仮面ライダークウガ』(2000~2001年)です。仮面ライダーシリーズは第1作目から『仮面ライダーBLACK RX』(1989~1990年)まで、在阪準キー局の毎日放送で製作されていました。しかし『クウガ』以降の仮面ライダーシリーズは現在まで、在京キー局のテレビ朝日が製作しています。

 当時仮面ライダーの復活を模索していた東映の鈴木武幸氏は、平成ウルトラシリーズを放送していた土曜18時の放送枠を狙って、毎日放送との交渉を進めていました。しかし毎日放送側はウルトラシリーズの後番組をアニメ『ゾイド‐ZOID‐』(1999~2000年)に決定してしまいます。

『燃えろ!!ロボコン』は仮面ライダーと同じく石ノ森章太郎氏の原作です。その縁から『仮面ライダークウガ』は、『燃えろ!!ロボコン』の後番組としてテレビ朝日での製作に決定したのでした。元々この放送枠は『宇宙刑事ギャバン』から始まった「メタルヒーローシリーズ」の枠です。『燃えろ!!ロボコン』はメタルヒーローから平成ライダーへとバトンを受け渡した作品ともいえるでしょう。

 現在も製作が続く仮面ライダーシリーズですが、中でも人気の高い作品のひとつが『仮面ライダー電王』(2007~2008年)です。ヒットの要因のひとつに、着ぐるみキャラクター「イマジン」の人気がありますが、イマジンたちのコミカルな描写は『ロボコン』の変形ともいえます。

『電王』には石田秀範監督のほか、脚本に惚れ込んだ坂本太郎監督も参加。着ぐるみキャラクターによるコメディー作品の演出経験が豊富な両名の参加は、イマジンたちのコミカルなやり取りを的確に演出し、その幅を広げました。

 昭和・平成・令和と、3つの時代にわたって製作されることとなった『ロボコン』。石田秀範監督と浦沢義雄氏のタッグは『燃えろ!!ロボコン』以来、実に20年ぶりです。ロボコンはどのようなデザインになるのか、ガンツ先生はやはり野田圭一氏が続投するのかなど、まだ発表された情報が少ない分、『がんばれいわ!!ロボコン』への期待がふくらみます。

(森谷秀)

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