「シャーマンキング展」盛況の一方で気になる、スピンオフ物語の新展開
マグミクス / 2020年8月26日 12時10分
■「SHAMAN KING マルコス」1巻のオススメポイント……?
はじめに……「シャーマンキング」20周年の節目を経て、30年へと作品を盛り上げていくことを目指すこの連載も、11回目を迎えました。10回目が「聖地」青森での原画展レポートというのも感慨深いものでしたが、11回目となると気持ちが新たになります。これからも、シャーマンキングの魅力をさまざまな形でお伝えしていきますので、今後ともどうかよろしくお願いいたします!
さて、2020年8月8日から始まった青森での「シャーマンキング展」は、23日をもって無事に終了しました。人の移動が極めて難しいなか、多くの方にご来場いただき本当にありがとうございました。
最終日の様子が気になったので地元の親族を会場に派遣したところ(笑)、午後だというのにそこそこ行列があったそうです。写真を見ると、付箋の掲示板(メッセージコーナー)は一面を埋め尽くすとまではいかなかったようですが、1枚1枚を熱心に読み込んでいる方がいたとのことなので、”すべての展示”をゆっくり存分に楽しむという意味では、これもまた良しと思いますね。そして、次は9月4日(金)から池袋で始まる「シャーマンキング展」東京凱旋会場ですよ!
ところで皆さん、今月あったことは何もシャーマンキング展だけではありません。ここから今回の本題です。
まず最初に「少年マガジンエッジ」と同日の17日に発売になった、ジェット草村先生による『SHAMAN KING マルコス』1巻について!
この作品は、X-LAWSになくてはならない存在・マルコに焦点を当てた物語……のはずなのですが、現時点で彼は行方不明。他の仲間たちが彼を捜索しつつ新たな状況に遭遇していきます。時間軸としては『シャーマンキング』の後になるため、当時ハオに命や魂すらも奪われた仲間たちは全員現世に蘇っています。
彼らがマルコを探す理由は読んでいただくとして、オススメしたいのは冒頭のちょっといいシーンから急転直下で切り替わる、日本の庶民感です! ”テルコス”が織りなす日本の日常に「あるある感」もしくは一抹の郷愁を憶えることでしょう。何を言っているかわからないと思いますが、気になる方は電子書籍の試し読みなどいかがでしょう?
なおコミックスには第4廻まで収録されており、今月の「マガジンエッジ」ではすぐに続きの第5廻を読めます。1巻で散りばめられたままの謎がさっそくひとつ解決するので、未読の方には良い機会だと思いますよ!
■情報密度が高すぎ! 今月の『THE SUPER STAR』
そして、エッジ今月号の『SHAMAN KING THE SUPER STAR』は「ダイ仏ゾーン編」の第2廻です……が! 本作が『SHAMAN KING FLOWERS』の続きであることを明確にして以来、何の前触れもなく、当然ように以前のキャラクターが登場しすぎじゃないですか? そこに当時からの大きな疑問の答えをブッこんで来るというのですから、『FLOWERS』を知らない方にも知っている方にも情報密度の高い内容だったろうと思います。
しかし、今回を読むだけでもキャラたちの概要が理解できる点は、さすが武井先生です! 皆さん、ここを入り口にして『FLOWERS』に戻るというのも全然アリですよ! なお筆者は王道ながら、路菓(ルカ)と葉羽(ヨハネ)の裏麻倉家ポンコツ姉弟が大好きです。
ただ着目すべきは『FLOWERS』つながりだけではありません。現在は「ダイ仏ゾーン編」です。最後のコマに登場したのはどう見ても石頭の”彼”ですね。やはりというべきか、「ダイ仏ゾーン編」では『シャーマンキング』に登場したガンダーラの現在を描きつつも、武井先生の連載デビュー作『仏ゾーン』をきちんと統合することに力が注がれるのかもしれません。
読み切り作品『ITAKOのANNNA』や『デスゼロ』同様、そうなるのは自然な流れと言えます。残念ながら『仏ゾーン』は現在、古本屋を回る以外に入手できないと思いますが、そう遠くない将来に電子書籍などで気軽に読めるようになると嬉しいですね。
こうしてみると、本作の「スーパースター」とは、歴代シャーマンキングの代理戦争であるF.O.M(フラワー・オブ・メイズ)を戦い抜くスーパースターたちという意味と同時に、その「スター」とは過去作の統合を通じてシャーマンキングの世界に取り込まれた、全武井作品中のスターたちだと考えるのが、ますます自然に思えます。
何しろ先生はアメコミ好きですからね! 武井アベンジャーズの誕生はもうすぐそこ……と考えると、気持ちがメラアガってくると言うものです!
最後に……「講談社C-station」というサイトで、シャーマンキングの現在までを総括した記事が公開されています(本記事公開時点)。担当編集者の吉田さんが解説していますが、この方はTwitterでは「編集部Y田」でもお馴染みですね。こちらもご覧になってみてください。
それでは今回はこの辺で。次回は「シャーマンキング展東京凱旋」のレポートをお送りする予定なのでお楽しみに!
※「シャーマンキング展」東京凱旋会場は、2020年9月4日(金)~9月13日(日)、池袋 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル4F 展示ホールAにて開催予定。チケットは入場日時指定で、前売券はe+(イープラス)で申込可能です。
(タシロハヤト)
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