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GBA最後のFE『聖魔の光石』 低難易度を裏付ける2つの理由、賛否両論も?

マグミクス / 2020年10月7日 8時10分

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■エイリークとエフラム、ふたりの主人公

 誕生から30年を誇る『ファイアーエムブレム』(以下、FE)シリーズにおいて、「ゲームボーイアドバンス」(以下、GBA)の存在は大きいのではないでしょうか。

 というのも、ファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)やスーパーファミコンなど、それまで家庭用ゲーム機で展開していた「FE」シリーズが携帯機でもリリースされるようになったのはGBAから。2002年の『封印の剣(つるぎ)』と、2003年の『烈火の剣(けん)』。そして2004年、GBA時代の「FE」シリーズ最後を飾ったのが、今回ご紹介する『聖魔の光石』です。

 本作は2004年10月7日に発売された「FE」シリーズの第8作目。シミュレーションRPGを標榜するシリーズ伝統の基本システムをベースとしつつ、ファミコン用ソフト『ファイアーエムブレム 外伝』に近い要素を随所で採用しています。また、『封印の剣』と『烈火の剣』が世界観を共有していたのに対し、本作は時代背景や舞台設定、メインキャラクターも含めて刷新。「立ち向かう度に人は少し強くなる」というキャッチコピーを携えて世に現れました。

 本作の主人公を務めるのは「エイリーク」(王女)と「エフラム」(王子)。ルネス王国の由緒正しき血を引くふたりですが、彼らの故郷はゲーム序盤、マギ・ヴァル大陸(ゲーム内の舞台)にて脅威を誇るグラド帝国の襲撃を受けて陥落してしまいます。プレイヤーは追手から逃げ延びるエイリークを操作し、フレリア王国へ歩みを進めます。最初のうちは彼女を操るパートが続き、第8章より先はプレイヤーの選択に合わせて物語が分岐。エイリークかエフラムのどちらを選ぶかによって、ゲーム内で語られるストーリーや挑戦できるマップ内容も変化しました。

■過去タイトルと比べて難易度が大きく低下

 上述のダブル主人公を軸にしたストーリーラインに加え、魔物ユニット(敵キャラクター)や自由に出入り可能な「エクストラマップ」の実装など、各部でGBA期の前2作と違いを見せた『聖魔の光石』。なかでも特徴的だったのは、従来シリーズと比べて随分と抑えられた難易度です。

 このポイントを裏付ける筆者の考えはふたつ。まず1点目として、ユニットのレベル上げやクラスチェンジを含め、育成面の自由度が広がりました。上述のエクストラマップでは繰り返し戦闘が行えるため、意図的にユニットを動かした上で経験値を積ませることが可能。「パラメーター的に心もとないけど、何とか育てて前線で使いたい!」といったユニットがいる場合、本番(ストーリーマップ)で使う前に気の赴くまま戦闘を経てレベルアップを行えるように。また、下級職から上級職へクラスチェンジする際も2種類の分岐先が存在しており、ユニットの運用方法やステータスの成長率を考慮して”未来の姿”を決める楽しみも生まれました。

 2点目は「FE」シリーズ初心者を対象としたであろう、親切な「はじめて」モードの搭載。こちらを選ぶと本作のゲームシステムをはじめ、ユニットの動かし方から攻撃方法、勝利条件の説明……などなど、シリーズ全体に共通する重要事項について、丁寧なチュートリアルを序盤から受けられます。こうした初心者向けの配慮もさることながら、直接的なゲームバランスの見直し、及びユニット育成のしやすさも相まってか、本作はシリーズ全体において特に難易度の低さが目立つ「FE」作品となったのです。

「FE」シリーズに触れたことのないビギナー向け。裏を返せばシリーズ経験者にとって物足りない一面も確かにあるなど、今日にいたるまで賛否両論がちらほら見受けられる『聖魔の光石』。しかし、ストーリーこそ他タイトルとつながっていないものの、GBAからゲームキューブ専用ソフトの次回作『蒼炎の軌跡』へバトンを渡した意義深い一作と言えるのではないでしょうか。

(龍田優貴)

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