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【漫画】作家が絶叫「マンガって難しい!」 創作する人は“表現者”じゃない?

マグミクス / 2020年12月22日 19時10分

【漫画】作家が絶叫「マンガって難しい!」 創作する人は“表現者”じゃない?

■人それぞれの創作手法を知るのも、また楽しい

 漫画家のふじた渚佐さん(@asakotofuji)が、Twitterで『漫画って難しい!』を公開しました。マンガの創作において、いつの間にか最初のプロットとは方向性が変わっていくことのある難しさを伝えています。

 このツイートには、読者から「分かる。小説でも同じことが起きる」「キャラが勝手に動くってこういうことか」などのコメントが寄せられました。また、あまりにも熱が込められた表現に「勢いが好きですww」との感想も見られます。

 作者のふじた渚佐さんに、お話を聞きました。

ーーふじた渚佐さんの漫画家としてのデビューのきっかけを教えて下さい。

 Twitterです。もともと趣味で描いていたマンガをTwitterで発表し続けていたら、出版社の編集さんからお声がけいただくようになり、連載化させていただく運びとなり、漫画家としてデビューすることを決めました。

 小さい頃から漫画家になりたかったけれど、家が厳しくてマンガを生業にすることをなかなか認めてもらえず、全く違う分野の仕事に就こうとしていた最中だったので、正直ものすごく驚きました。「どうなるか分からないけど、これは昔からの夢をつかむチャンス。今行かなきゃ多分一生後悔する」と思ったので飛び込んでみました。飛び込んでみて3年経った今でも未熟で分からないことばっかりですが、すごく楽しいです。

ーー『漫画って難しい!』を、Twitterで公開することに決めたのはなぜでしょうか?

 それはもう、その時に「マンガって難しい!!!!!!!!!」と思ったからです。「マンガが難しいことを普通に言葉でツイートするよりも、マンガとして描いた方がより伝わるのでは!? 私がどんだけマンガ難しいと思ってるか伝わるか!!??」という気持ちでした。なんかもう叫びたかったという感覚です。

ーーこれまでマンガを制作してきたなかで、『漫画って難しい!』と同じような状況になった具体的な例があれば教えて下さい。

 たとえば、私が前に連載させていただいていた『ひなたと三笠』という作品があります。あれは最初、“百合”を描こうとしていたんです。最初の段階ではそのはずでした。しかし、描き進めていくうちにキャラのほうが「ごめんうちら“百合”じゃなくて“友情”だわ」と言い出し、結局“百合”にならず友情モノになったという話があります。しかし、正直これは私の力量不足な話でもあるので猛省しています。

 マンガって、ドキュメンタリー番組と近いものがあると思うんです。まず人物たちがいて、それを映して編集するのが、描き手である私の役目だと思っています。私は「番組・作品として魅せるためにこう映したい、こう編集したい」と考えながらカメラを回しています。魅力的に編集するためには、映す人物たちの性格や持ち味を、しっかり把握する必要があると思うんです。それもめちゃくちゃ難しいです。

 創った本人のくせに、キャラのこと把握しきれてないんですよ。把握しようとすればするほど広い視野で見られなくなるというか、焦点化してしまう癖があります。だから、自分では把握したつもりになっていても、全然把握できてないんですよね。編集さんや読者さんなど第三者に「この子ってこういうとこもありますよね」って言われて「えッ!!!??!!! うわホントだ!!! そんな面あったの!!!?」ってなったりする時もあります。

 なんとなく、子育てに近い何かを感じたりもします。リアル子育てしたことないけど、こんな感じなのかもなあ……と思ったりします。そう考えると、私は親として本当に未熟です。「作品としてこう編集したい」という私の気持ちばっかりを優先し過ぎると、人物が死にます。「私はこうなんだよ」というキャラの気持ちばっかりを優先し過ぎると、話としてまとまらなくなります。このふたつとどうバランス良く付き合っていくか、それが今の私の課題だなあと思っています。

ーー今回のマンガに対する読者からの反応では、どのような声が特に印象に残りましたか?

 ある読者さんが「分かります! 私もときどき小説書くんですけど、もはや私は表現者ではなく彼らの物語を映すカメラマンなんですよね」と仰っていたのが印象深かったです。
カメラマンというところは私も同じだったんですけど、「もはや表現者ではない」という表現はめちゃくちゃ斬新でした。すごいしっくりきました。創作家は表現者って言われがちだけどそうじゃない、ただのカメラマンだと私も思います。

 それと全く真逆の意見で、「こうなりてえなあ」と仰っていた方もおられました。この方の創作手法がものすごく気になりました。自分とは違う創作手法を知るのって楽しいんです。「そんなやり方もあるのかー!!」ってすごく良い刺激になるので、もっといろんな人の創作手法を聞いてみたいです。

『ド直球彼氏×彼女』(秋田書店)

ーー『漫画って難しい!』では、内容を分かりやすくイメージさせるために『ド直球彼氏×彼女』の進一と真子が登場しました。そちらの作品についても、ご紹介をお願いします。

『ド直球彼氏×彼女』をご存じでしたか! ありがとうございます!! 『ド直球彼氏×彼女』はタイトルの通り、ド直球な彼氏・本田進一とその彼女・若宮真子による全力青春直球ラブコメです。

 現在はTwitter版と連載版の2種類があります。Twitter版はあのふたりの“写真”というか“切り抜き動画”みたいな感覚で描いてます。ほんの一瞬だけを切り抜くような感じです。連載版はあのふたりの“歴史”です。付き合う前の出会いから、じっくり熱く激しくあのふたりの“歴史”を描いています。

 もともと2016年あたりから始めたTwitter版が原点で、以前は一迅社さんの「月刊ComicREX」で連載させていただいていました。移籍しまして、現在は秋田書店さんの「月刊少年チャンピオン」にて連載させていただいています。コミックスは現在1~5巻まで発売中です。

 Twitter版は、とにかくこの全力直球バカップルぶりを見てやってくれという気持ちです。ノリと勢いで描いてる時が多く、刹那的な描き方をしています。Twitter版にはあらすじらしいあらすじもないのですが、連載版は、高1の中間テスト明けに出会い、風紀委員会活動中の真子が、堂々とエロ本を所持してる進一を発見するところから始まります。そこからなんやかんやあって、惚れたり告白したり玉砕したりお友だちから始めたりと、いろんな日々を熱く激しく駆け抜けていきます。

ーーそれでは、『ド直球彼氏×彼女』の見どころを教えて下さい。

 見どころは「真正面から全力で愛し合う直球さ」だと思うんですけど、もうひとつ挙げるとすれば「一緒に全力で走っていく」ところかなと思ってます。一緒に走るって難しいことだと思ってます。一緒に走ってるつもりが独走していたり、ずっこけたり、すれ違ったり、いろんなことがあります。

 一緒に走っていくためには、やっぱり互いに向かい合う必要があると思うんです。互いに向かい合うのって、めっちゃ勇気いることだと思っています。もしかしたら、向かい合うことですごい傷付くかもしれない。でも、向かい合わなきゃ何も始まらないんですよね。私自身は進一と真子ほど直球で勇気のある人間ではないから、正直あのふたりがすごくうらやましいし、描きながら勇気づけられているところもあります。

 基本、この作品はギャグが多いので、仕事や勉強で疲れ果てた時や、落ち込んで元気がない時なんかに、頭すっからかんにして読んでほしいです。あの馬鹿馬鹿しくもまっすぐで熱いバカップルの日常は、きっと経眼接種型の栄養ドリンクになると思います。

 それと、恋愛関係で悩んでる人にも読んでほしいです。とりあえず最初はギャグとして楽しんでもらった後に「こういう恋愛の形もあるんだなあ」って知ってほしい。恋の悩みの解決の糸口にもなったらいいな!! なるのか!? なったらいいな!! って思ってます。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

 今後、Twitterは公開型らくがき帳みたいな感覚で使っていきたいな~と思ってます。Twitterは私個人で勝手にやってるものなので、好き勝手に気の赴くままに、楽しく描き散らかしていきたいです。

(マグミクス編集部)

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