『餓狼伝説』不知火舞、当年とって47歳 『スマブラ』出演できない理由に納得…
マグミクス / 2021年1月1日 9時10分
■不知火舞、ド迫力のバストと圧倒的な露出度
1月1日は、対戦格闘ゲーム「餓狼伝説」シリーズに登場した不知火舞(しらぬい・まい/以下、舞)の誕生日です。1974年生まれのため、2021年で47歳を迎えます。
確か初めて舞を見たのは、今はなきアーケードゲーム専門誌『ゲーメスト』の『餓狼伝説2』特集記事だったと思います。見事なバストの持ち主にして、あまりにも布が少ない衣装に身を包んだ舞を見た瞬間、「対戦格闘ゲームのキャラでこんなの出していいのか? 派手に動いたら色々見えちゃうだろ!」と驚いたのを覚えています。
それまでにも対戦格闘ゲームの女性キャラは「ストリートファイター」シリーズの春麗や「ワールドヒーローズ」シリーズのジャンヌなど数名存在していましたが、基本的には肌をさらさない服装をしていたのです。舞の衣装がもたらした衝撃はかなりなものでした。
やがて筆者が通い詰めていたゲームセンターにも『餓狼伝説2』(以下、餓狼2)が入荷したのでプレイしてみたのですが、当時のゲームとしては舞の動きや演出は力が入っていました。特に勝利ポーズの胸揺れは、ゲームの歴史を塗り替えるほど印象深いものだったように思います。
しかし『餓狼2』はアンディ・ボガードの残影拳が強すぎて対戦バランスが悪く、筆者の舞ではなかなか勝てなかったのであまり使う機会はありませんでした。しかし次作『餓狼伝説SPECIAL』では強の龍炎舞に無敵が追加されるなどバランスの改善が図られており、ようやく安心して舞を使えるようになったのです。そこからやりこみを開始したのですが、足で挟んで投げる通常投げ「風車崩し」に一度挟まれてみたいと友人とよく話していたのは懐かしい思い出です。
そんな舞ですが、実は当初『餓狼2』に登場する予定はありませんでした。しかし開発中に女性キャラクターを入れたいという上層部からの要望があり、「ニンジャマスター」として作られていたキャラクターを削除して追加されたという経緯があります。そのため上述の投げ技も『餓狼2』では他のグラフィックを流用して作られており、『SPECIAL』で改めて作り直されています。セリフも『餓狼2』ではかなり硬めの印象となっていますが『SPECIAL』では全面改稿されて、いくらかは柔らかめの印象のキャラクターへと変化しています。
■不知火舞、SNKの看板キャラクターとして
外見からは派手めのイケイケ系キャラと思われがちな舞ですが、実は幼い頃から祖父母に厳しくしつけられており、普段はおしとやかで引くべき場所はきちんとわきまえている性格です。しかし同時に格闘家としての誇りと負けず嫌いな面も併せ持っているのが、まだ10代の少女の複雑なところでしょうか。
恋愛面では祖父のもとで修行していたアンディ・ボガードにほれ込んでおり、たびたび求婚していましたが、アンディの優柔不断さもありなかなかうまくはいっていないようです。
さて、『SPECIAL』の後の舞ですが「餓狼伝説」シリーズに参戦し続けるだけではなく、作品の壁を飛び越え「キング・オブ・ファイターズ」シリーズや『CAPCOM vs.SNKシリーズ』にも参戦し、SNKの看板として活躍の幅を広げていきます。1993年に放送されたTVアニメ『バトルファイターズ 餓狼伝説2』では大張正己氏によりデザインが起こされ、私服姿の舞や実際にあの衣装で戦う舞の姿を見ることができました。まだメディアミックスが今ほど盛んではない時代、ゲームがアニメ化されるのは画期的な出来事で、ビデオに録画して何度も何度も見返した日々を思い出します。
近年では2016年に3D対戦格闘ゲーム『デッドオアアライブ5』に参戦し、3Dバージョンの舞がお目見えしたのですが、もともと2Dを前提にデザインされたキャラクターだった上に、舞のバストにはかなり厳しいチェックが入ったため、開発は難航したそうです。胸が命のキャラクターなので致し方ないのでしょうが。
さらには2019年には『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』にテリー・ボガードが参戦したため専用ステージが開設され、SNKのキャラクターが背景として大量に登場したのですが、そこに舞がいなかったことによりTwitterのトレンドで「不知火舞」が日本1位になるほどの大騒ぎとなりました。
ディレクターの桜井政博氏によると、『スマブラ』のレーティングは全年齢対象だったため露出度の高い舞を出すことができなかったそうで、やはりあの格好はお子様の教育には悪いと思われているのだな……と言う当たり前の事実が判明しています。
令和の時代にもその抜群のスタイルときわどい衣装で話題を振りまくほど印象深いキャラクターである不知火舞は、きっとこれからも多くのファンに愛されていくのでしょう。登場の時からずっと舞を見続けている1ファンとしては、それがなによりうれしいことだと思えます。
(早川清一朗)
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