自粛ムードの年末こそ『クレイジータクシー』でスカッとしたい。パンクに乗せて街を爆走
マグミクス / 2020年12月29日 18時40分
■初代アーケード版はスタンディング筐体だった
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、生活様式が大きく変わった2020年。この年末は例年どおりなら忘年会シーズンだったと思いますが、ついつい呑みすぎてしまった場合、お世話になるのが「タクシー」ではないでしょうか?
日を追うごとに感染者が増え続けている現在の状況から、またもや「不要不急の外出は禁止」というムードになりつつありますが、そうした陰鬱な世相に反してスカッと爽快に楽しめるゲームが、今回紹介させていただく『クレイジータクシー』です。
1999年、セガ第三AM研究開発部によって開発、販売されたこの1本は、まさしく「タクシー」が題材となるドライビングゲームで、路上にいるお客を乗せ、制限時間内に目的地を目指す……というものなのですが、タイトルのとおり内容はかなりクレイジー。アメリカのサンフランシスコがモチーフにしたとおぼしき街を爆走するというものになっています。
初代のアーケード版は、運転席に座るドライビングゲームが多いなかで初代インベーダーゲームのようなアップライト筐体が採用されていたのですが、コレがゲーム中のBGMとして採用されている「オフスプリング」や「バッド・レリジョン」が奏でる軽快なパンクロックの雰囲気とリンクして、プレイヤーの気持ちを燃えさせるものとなっています。やはりパンクの基本はスタンディングです。
そのアーケード版では、目的地に到達できなかった時にコンティニューのコインを投入すればゲームを継続することが可能で、当時のゲーセンでガシガシと100円玉をつぎ込んだ方も多いかもしれません。一方、家庭用ゲーム向けには2000年にドリームキャスト版が発売されたのをはじめ、2001年にプレイステーション2、2002年にゲームキューブ版、ウィンドウズ版が発売されるなど、さまざま機種に移植されましたが、コンティニュー機能がなく、アーケードモードでプレイするとナカナカ難しいのですが、その分、意地になってやり込める要素が豊富です。
基本、ゲームの内容はアーケード版を踏襲するもので、選べるキャラクターはキャデラック・エルドラドに乗る“アクセル”とシボレー・インパラに乗る“B.D.ジョー”、初期型フォード・マスタングの紅一点、“ジーナ”とマーキュリーエイトの“ガス”という4人。クルマごとに僅かな性能の差がある(マスタングは小回りが利き、マーキュリーは頑丈など)とのことですが、実際にプレイした限りでは、それぞれのアドバンテージはさほど感じません。なので好きなキャラで街中をブッ飛ばすのがベターでしょう。
パンクロックのビートに乗せて、時に他のクルマをなぎ倒し、海の中を走り、急な下り坂で他のクルマを飛び越し……といった描写は文字通りクレイジーで爽快です。また乗客も制限時間を超えると悪態をつき、クルマから飛び降りてしまうというクレイジーぶりです。
■家庭用ゲーム版は「クレイジーさ」に磨きがかかって…
PSP向けに発売された『クレイジータクシー ダブルパンチ』(SEGA)。第1作目と続編の『2』を収録
ちなみに、家庭用ソフトではアーケードモードの他に「オリジナルモード」が存在し、街中のマップもより複雑になるのですが、その走行可能な場所がさらにクレイジー。電車が走る線路上や跳ね橋を使った大ジャンプなど、やり込めばやり込むほど新たな発見があります。
またコンティニューがないかわりに、アーケード/オリジナルともに3分・5分・10分の制限時間プレイが可能で、じっくり走り込んでマップを覚えてからアーケード・ルールに挑戦するのが良いかもしれません。地図を覚えるのもタクシー運転手の基本です。
コロナ禍による自粛ムードで、おそらく今年は多くの忘年会が中止となり、タクシーのお世話になる機会も少ないかもしれませんが、自宅でスカッと『クレイジータクシー』を楽しんでみてはいかがでしょうか?
(渡辺まこと)
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