『ムシキング』の他には? ちょいマイナーな昆虫バトルゲーム3選「角からビーム発射!」
マグミクス / 2021年8月14日 13時10分
![『ムシキング』の他には? ちょいマイナーな昆虫バトルゲーム3選「角からビーム発射!」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_59986_0-small.jpg)
■夏の記憶を揺さぶる昆虫バトルゲーム
とある少年時代の夏、公園や山林に足を踏み込んで”虫取り”に没頭した方はきっと少なくないでしょう。焼酎にバナナを漬け込んだ捕獲トラップを仕掛け、朝方にお目当ての昆虫が捕まっているか確認する。こうした経験は、不思議と大人になっても記憶に残っているものです。
この記事でご紹介するのは、捕まえた昆虫同士を戦わせる”昆虫バトルゲーム”。同ジャンルは「ムシキング」シリーズが有名ですが、今回はあえてメジャータイトル以外に注目しました。具体例として3タイトルをピックアップし、ゲームシステムや特徴を振り返ります。
●『THE 昆虫採集』(PlayStation2)
最初にご紹介するのは、2005年に発売されたPlayStation2用ソフト『THE 昆虫採集』(以下、昆虫採集)。D3パブリッシャーが手掛ける「SIMPLE2000」シリーズの一作で、”虫取り”をメインに据えています。本作の目的は、「島内に散らばった昆虫を全て捕まえる」こと。プレイヤーは主人公の少年「翔太」を操り、3人のキャラクターと関わりながら昆虫採集を進めることになります。
本作はあくまでも虫取りがメインですが、チョウやトンボ、バッタなどの昆虫を扱ったミニゲームを数種類ほど実装済み。そのなかのひとつ、「虫相撲」では、プレイヤーが捕獲したカブトムシとクワガタムシを土俵に乗せ、対戦形式で戦わせることができました。本作の監修は昆虫専門店や多摩動物公園が担当しており、登場する昆虫の3Dモデルは精巧かつリアル。後述タイトルで言及する”必殺技”こそありませんが、「実際に虫相撲で遊ぶ感覚」は再現されているように思われます。
しかし、ゲームキャラクター(主人公を除く)の性格や言動にネタ要素が多く含まれているため、どちらかと言えばシュールな雰囲気に寄っているのが本作の特徴。主人公に昆虫を見せる予定だったのに、なぜか前日に昆虫を全て逃してしまった「博士」。妙に態度がデカく、博士の助手を自称しながらも昆虫勝負に明け暮れる「パヤン」。唯一の女性キャラクター「みさき」は森の妖精で、他のキャラクターには姿が見えず、抽象的かつ的を射ない発言で翔太(プレイヤー)を惑わせる始末。この通り、個性豊かなキャラクターの存在が、本作のバカゲー度に拍車をかけていると言って良いでしょう。
●『バトル昆虫伝』(PlayStation)
1999年初頭に誕生したPlayStation用ソフト『バトル昆虫伝』は、昆虫バトルとシミュレーションをミックスさせた意欲作です。上述の『THE 昆虫採集』が虫取りメインだったのに対し、本作は”昆虫同士による戦い”を大々的にフィーチャー。マス目上に区切られたバトルフィールドを舞台とし、自陣と敵陣に分かれてユニット(昆虫)を動かして戦闘を進めていきます。
商品パッケージに描かれている「カブトムシ」をはじめ、本作はカブト・クワガタの両カテゴリーから多種多様な虫が登場。「ネプチューンオオカブト」や「アトラスオオカブト」、「オウゴンオニクワガタ」などなど、世界各国の甲虫がツノ(もしくはハサミ)を振り回して互いに激突。「つの」(体力と防御力を削る)や「とっしん」(防御力のみ大幅に削る)といったコマンドを使い分け、マップ奥に陣取るボス昆虫を倒す……というのが本作の大まかな流れです。
なかでもインパクト大なのは、全てのオーラポイント(AP)と引き換えに発射する「ビーム」。名前の通り、昆虫が全力を振り絞って極太ビームを撃ち出す技ですが、生物的な頭頂部からビームが伸びる光景は異様さ満点。シミュレーション×昆虫バトルの側面に加え、「カブトムシのツノからビームが飛び出すゲーム」という印象が大きく目立ちます。
●『昆虫モンスター スーパーバトル』(ニンテンドー3DS)
最後は2014年リリースのニンテンドー3DS用ソフト『昆虫モンスター スーパーバトル』(以下、スーパーバトル)を取り上げます。発売元のカルチャーブレーンエクセルは、2005年より「昆虫モンスター」シリーズをゲームボーイアドバンスで始動しており、『スーパーバトル』はその3作目に該当します。1作目から続くゲームシステムを踏襲しつつ、約100種類の強化アイテム&カスタマイズ要素が新たに搭載されていました。
本作は『昆虫採集』と『バトル昆虫伝』よりも、さらに昆虫バトルの奥深さを追求。バトルの主役は「ムシモン」(不思議な戦闘力を秘めた昆虫)と呼ばれ、作中の世界では既にムシモンバトルが大流行しています。主人公はムシモンバトルを極めるべく、各地域の猛者が集う「ムシモングランプリ」への参加を決定。主な遊び方としては、3Dフィールドを歩き回ってお目当ての昆虫を捕獲。捕まえた昆虫を戦わせ、金と経験値を稼ぎながら大会の上位入賞を狙います。
昆虫バトルに刺激をもたらす技エフェクトは本作でも健在。”ツノからビーム”を当然のように実装しているほか、時には全身から火炎を放ち、時には画面を見つめるプレイヤーまで感電しそうなほどに雷を放出します。ニンテンドー3DSの立体視機能も合わさり、演出面では「昆虫モンスター」シリーズ随一と言っても過言ではない表現力を秘めていました。
昆虫バトルの魅力は「己の体と体をぶつけて格付けしあう力強さ」にあると筆者は考えています。タイトルごとに違いこそありますが、セガの「ムシキング」シリーズや今回ご紹介した3タイトルを含め、昆虫バトルの醍醐味はゲーム上でも余すところなく再現されてきたのではないでしょうか。
(龍田優貴)
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