『光る君へ』藤原一族のブラック担当・道兼役の玉置玲央…名字の不思議 ルーツの和歌山から離れるほど「たまき」→「たまおき」に
まいどなニュース / 2024年4月7日 20時0分
NHK大河ドラマ「光る君へ」に登場している、藤原三兄弟の二男の道兼(道長の兄)。
ドラマでは初回にまひろの母を殺害、さらに円融天皇に毒を盛ったり、花山天皇を騙して出家させたりと、藤原一族の中でブラックな役割を担当している。この道兼を演じているのが俳優・玉置玲央である。
「玉置」には「たまき」と「たまおき」という2つの読み方がある。ともにメジャーな読み方で、歌手の玉置浩二は「たまき」と読む一方、司会者として有名だった玉置宏は「たまおき」だった。
この「玉置」という名字のルーツは和歌山県にある。紀伊国牟婁郡玉置(現在の和歌山県新宮市熊野川町)がルーツで、紀伊国の古代豪族紀国造(きのこくぞう)氏の末裔とされる。
「玉置」という名字は現在でも和歌山県に集中しており、とくに日高地方に多い。この地名は「たまき」と読み、日高郡内では「玉置(たまき)」が最多の名字である。つまり、「玉置」は本来「たまき」だった。
しかし、「玉置」と書いて「たまき」と読むのは難読である。地元では地名もあり、「玉置(たまき)」さんの数も多いため普通に「たまき」と読まれるが、ルーツの場所から離れると「玉置」を「たまき」と読むのは難しい。そこで、漢字本来の読み方に従って「たまおき」とも読まれるようになった。
現在は、和歌山県の隣の奈良県ではほとんど「たまき」と読むものの、大阪府では「たまき」は7割強、京都府では6割強と、ルーツの地から離れるに従って次第に「たまおき」さんの数が増えて来る。そして、岐阜県では「たまおき」の方が多くなり、関東や東北、北海道では「たまおき」が主流となる。玉置玲央は東京の出身で、名字の読み方は「たまおき」である。
一方、西日本でも中国地方や徳島県ではまだ「たまき」が多いが、愛媛県ではほぼ半々ながら「たまおき」が逆転、九州では「たまおき」のほうがかなり多い。全国を合計すると4分の1ほどが「たまおき」である。
こうした傾向は他の難読名字もみられる。栃木県茂木(もてぎ)をルーツとする「茂木」さんは、ルーツに近い北関東や長野県、一族が移り住んだ秋田県では「もてぎ」が多いが、それ以外の地域では「もてぎ」とは読みづらく、「もぎ」とも読むことが多い。
◆森岡 浩 姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部卒。学生時代から独学で名字を研究、文献だけにとらわれず、地名学、民俗学などを幅広く取り入れながら、実証的な研究を続ける。NHK「日本人のおなまえっ!」にコメンテーターとして出演中。著書は「47都道府県名字百科」「全国名字大事典」「日本名門名家大事典」など多数。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【光る君へ】玉置玲央が演じる藤原道兼「汚れ仕事は俺の役目だ」で好感度爆上がり
東スポWEB / 2024年4月21日 20時58分
-
玉置玲央「クズ役はお手の物(笑)」『光る君へ』藤原道兼役で改めてやりがい実感 反響にも感謝
マイナビニュース / 2024年4月20日 8時30分
-
「花咲舞が黙ってない」主演の今田美桜さん 「いまだ」「こんた」どちらで読むのが多い?
まいどなニュース / 2024年4月13日 11時0分
-
玉置玲央『光る君へ』道兼役からガラリ “ロン毛パーマ”姿に博多大吉「何かあった?髪型が違いすぎて…」
ORICON NEWS / 2024年4月8日 8時43分
-
玉置玲央『光る君へ』放送後の“投稿”に反響「哀愁」「さすがに道兼様が可哀想…」
ORICON NEWS / 2024年4月8日 7時0分
ランキング
-
1デヴィ夫人、84歳の圧巻スタイル披露! 「その高さのヒールで歩けることが凄すぎ」「ヒールの高さと細さよ!」
オールアバウト / 2024年5月2日 9時10分
-
2草なぎ剛「適当が一番」 経験重ねてたどり着いた境地 「ヴィンテージになりたい」という目標も告白
マイナビニュース / 2024年5月2日 8時0分
-
3【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
NEWSポストセブン / 2024年5月2日 7時15分
-
4オズワルド伊藤 ブチギレる姿を何度も目撃した先輩女性芸人 最近の印象変化「だいぶ丸くなられた」
スポニチアネックス / 2024年5月2日 14時41分
-
5原田美枝子「女優生活50年」で紫綬褒章の感慨…夫・石橋凌の“隠し子騒動”乗り越えて
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月2日 9時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください