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飼い主が施設入所 13歳のシニア犬が残された 飼い主の絶対条件 それは最後まで面倒を見ること

まいどなニュース / 2024年5月2日 17時30分

13年間一緒に過ごし突然離ればなれになったシーズーミックスのとわこ

2023年暮れ、動物保護団体・アイドッグレスキュー隊にある連絡がありました。障がい者福祉施設からでした。聞けば、「とあるワンコの飼い主が施設に入所することになり、飼っていたワンコの面倒を見る人がいないので引き取ってもらえないか」というもの。

そのワンコはメスのシーズーミックスですでに13歳。一般的に小型犬の平均寿命は15歳とも言われますが、まずスタッフはここで愕然としました。

「ここまでの年齢になる前に、どこかで見切りをつけて手放して欲しかった。そうすれば、次の里親さんも見つけやすく、当のワンコも若いうちに次の里親さんにもなれ、少しでも長く過ごせたはずなのに……」

「最後まで一緒に」と言うのなら…

ただ、施設の方にとってはあくまでも人間が中心。その人が心のよりどころとしていたワンコを「最後の最後まで本人と一緒にいさせてあげたい」と思うのもまた仕方がないようでした。

スタッフは「それならそれで、飼い主を世話していた人がワンコを引き取る覚悟の上で、そうして欲しかった」とも思いましたが、しかしここでそれを追及しても当のワンコが幸せになるわけではありません。

スタッフはそのワンコを引き取ることにしました。

ワンコを飼うのなら「最後まで面倒を」

そのシーズーの名は「とわこ」。穏やかな性格でマイペース。飼い主にとって、きっと癒しの存在だったのでしょう。

アイドッグレスキュー隊と提携する預かりボランティアさんの家でも、シートの上できちんとトイレができ、部屋の中でフリーで過ごせ、ひとりでの留守番も大丈夫。経験がないのか、つい他のワンコに吠えてしまうこともありましたが、問題はそれくらいの極めてお利口さんでした。

散歩も大好きでとにかくうれしそうに歩きますが、13歳のシニア犬です。散歩の後はスヤスヤ眠りました。そのとわこの寝顔を前にスタッフは改めて思いました。

「13年間一緒に過ごした、大好きだったであろう飼い主と離ればなれになって、とわこはどんな気持ちだろうか」

やむを得ない事情があったにせよ、ワンコを飼う絶対条件は「最後まで面倒を見られること」だとも改めて思いました。

新しい家族が見つかり幸せな晩年へ

とわこの里親募集をスタートしてから、約2カ月ほどして「迎え入れたい」という里親希望者さんの申し出がありました。

とわこのバックボーンはもちろん、小型犬の寿命を考えれば、近い将来お別れの日が来ること、またシニア犬なので今は健康でも今後体を壊す可能性があることなどを全て理解した方で、「最後までお世話をします」と言ってくれました。

一定期間のトライアルを経て、とわこはこの方の家で幸せな晩年を過ごすことになりました。

当初は、「ここ私の新しいお家なの?」と戸惑い気味のとわこでしたが、優しい里親さんからのたっぷりの愛情を受け、心を開き、今では幸せいっぱいの生活をおくっています。

13年一緒に過ごした飼い主とある日突然別れ、その後もひとりぼっちで過ごす可能性があったことを考えれば、ここで「もう一度の家族」が見つかったことは本当に良かった。幸せな晩年が1日でも長く続きますように。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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