多頭飼育崩壊から保護された6歳の猫、臆病で怖がりだったころから甘えん坊に大変身! 家族と育んだ愛の軌跡が尊い
まいどなニュース / 2025年1月1日 15時0分
多頭飼育崩壊とは、飼い主が適正に飼育できる数を超えてペットが増え、経済的にも破綻し、ペットの飼育ができなくなる状況のこと。元保護猫の男の子「ムック」ちゃんは、2019年6月末に過酷な環境から保護されました。ムックちゃんを新しい家族として迎えたのは、飼い主のX(旧Twitter)ユーザー・orangelatteさん(@Orangelatte25)です。
当時6歳だったムックちゃんとの特別な出会いについてお話を伺いました。
特別な出会いから始まった新しい暮らし
その年の初め、飼い主さんは結婚当初から11年一緒に暮らした先代猫を病気で亡くし、家族みな寂しい毎日を送っていました。
「そろそろ新しい子を、そして縁があるなら保護猫を」と思い、動物愛護センターで開催された譲渡会に参加することにしました。飼い主さんは、譲渡会を訪れる前、里親募集サイトでムックちゃん(当時の仮名は、ボス)の写真を見ていたといいます。
「譲渡会でムックに会えるのを楽しみにしていました。ところが、思わぬハプニングが! スタッフさんの手違いでケージから脱走してしまったのです」
会場内を暴走したムックちゃんは、保護犬エリアに入り込んで威嚇をしたり、捕獲スタッフの手をかんだりと大騒ぎ。刺激的な出会いとなりましたが、飼い主さんは直感を信じ、ムックちゃんのトライアルを申し込むことにしたのです。
家族の愛に応えたムックちゃんの変化
お迎え当初、ムックちゃんは飲まず食わずの状態に……。ケージの隅にうずくまり、心を閉ざしていたそうです。
「預かりボランティアさんにも相談しながら、ケージをタオルでおおったり、夜鳴きがあるときは横で布団を敷いて声をかけながら寝たりと、ムックのペースに合わせる日々でした」
そうして約10日ほど経ったころ、ムックちゃんの様子に変化が現れました。ケージの周囲を歩き始め、少しずつ家族との距離を縮めていくようになったのです。
「最初は、私や娘に近づくようになり、しばらくして夫からも逃げなくなりました。少しずつではありますが、自ら距離を縮めてくれようとする姿はとても愛おしく、嬉しかったです」
ムックちゃんの人見知りは、今も続いています。来客があると、あわててベッドの下へダッシュ! そのまま隠れてしまいます。一方、家族の前ではとても甘えん坊に。飼い主さんは「そのギャップがまた魅力です」と微笑みます。
同居猫や家族に囲まれて過ごすにぎやかな日々
ムックちゃんは、臆病でありながら「かまってちゃん」な一面も持ち合わせています。
同居しているほかの猫たちと遊んでいると割り込んで“ベスポジ”を確保するのだとか。その姿を目にした飼い主さんは「多頭飼育されていたとき、多くの猫の中で自分の存在感を示す必要があったのかもしれません。その名残りなのではないかと考えています」と語っています。
また、ムックちゃんを病院へ連れていくときは、ちょっとした大騒ぎになるそうです。
「キャリーケースに入れようとすると、雄たけびを上げて抵抗! いつも一苦労しますが、それもムックらしい個性だと思っています」
ムックちゃんは、現在11歳半になりました。先代猫が亡くなった年齢と同じだそうです。
「家族の中心としてたくさんの笑いと癒やしを与えてくれました。ムックの存在は大きいなあと実感しています。健康で長生きしてほしい。悔いのないように愛情を注いでいきたいと思います」
大きな困難を乗り越えて、家族の一員となったムックちゃん。かけがえのない存在は、日々の暮らしに新しい価値と温かさをもたらしています。これからも未来に続く穏やかな時間が続くことでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
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