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「被災者支援の政治を」 石破新内閣、能登の人々が望むこと

毎日新聞 / 2024年10月1日 19時1分

能登豪雨で床上浸水した店舗から見つかったメニューを見つめる今井幹夫さん。被災者の生活を支援する政治を望んでいる=石川県輪島市で2024年9月28日午後2時37分、井村陸撮影

 石破茂・自民党総裁(67)が1日、第102代首相に選ばれた。石破内閣は日本が今、直面する課題にどんな道筋を示すのだろう。衆院選が間近に迫る中、地震と豪雨被害からの復興に立ち上がる能登半島の人々は何を望むのか。万博を控える大阪、被爆地・広島の思いは――。

 石川県輪島市の今井幹夫さん(73)は、元日の能登半島地震で自宅が傾いた。さらに、9月の能登豪雨では自身が営む定食屋が床上浸水し、廃業を決めた。「家も店も両方なくなってしまった。悔しい気持ちでいっぱいだが、前を向いていくしかない」

 豪雨があった21日は早朝から、妻と仕込み作業をしていた。午前9時ごろ、茶色く濁った泥水が店内に入ってきた。

 あっという間の出来事で外に避難できず、椅子の上に立って、その場をしのいだ。だが、泥水は床上1・5メートルほどまで押し寄せ、冷蔵庫や調理器具、食器が使いものにならなくなった。

 「この年齢でまた一から始めるのは難しい。2度も被災するんだったら、地震後に店を再開しない方が気が楽だった」

 石破内閣が発足した1日は地震からちょうど9カ月の節目に当たる。

 「私のような被災者らの生活を支援してくれるような政治をしてほしい。裏金問題で自民党は国民に不安を与えた。クリーンな政権運営を期待したい」

 地震で母と兄を亡くし、豪雨では自宅が床上浸水した珠洲(すず)市の舩本悦司さん(69)は「とにかく珠洲から人が離れないように、インフラの整備など復興のスピードを速めてほしい」と訴える。

 地震により各地で一時断水した被災地では、豪雨後も輪島市や珠洲市、能登町の約2300戸で水道が使えない状態が続く。能登半島北部では27カ所で通行止めとなっている。

 こうした状況を受け、被災地には「心が折れた人がたくさんいる」と話す。

 「復興が遅れれば、もう一度この土地に住もうという気持ちにはならず、人がどんどん離れていく。人口の流出を食い止めるような対策を実施してほしい」

 馳浩知事は、新政権について「(石破首相には)一日も早く、能登半島の被災地をご覧いただいて、私どもの地震と水害と、こんなに困っているという状況を見てもらった上で、特段の財政的な措置、ご配慮をお願いしたい」と述べた。【井村陸、古川幸奈、深尾昭寛】

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