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初めての逮捕事案、実習中の新人警官「手が震えた」 奈良・桜井

毎日新聞 / 2025年1月12日 8時15分

少年の無賃乗車未遂事件の処理に貢献した(右から)白井添喜巡査、辻田夏音巡査と指導役の戸尾臣吾巡査部長=奈良県桜井市三輪の桜井署で2024年12月25日、望月靖祥撮影

 夜の公園に少年たちが集まって騒ぐ事案が頻発する奈良県桜井市中心部の住宅街で、少年が公園から帰宅する際に無賃乗車を試みて逮捕される事件が起きた。桜井署も警戒を強める中での発生に、交番で実習勤務中だった新人警察官2人も出動し、証拠確認や所持品検査などで事件処理に大きく貢献した。初めて逮捕事案を体験した2人は「これからも地域の安全安心を守りたい」と決意を新たにしている。

 新人2人は、2023年春に県警察学校に入校した大福交番(桜井市大福)の白井添喜(てんき)巡査(26)と、24年春に入校した桜井駅前交番(桜井市桜井)の辻田夏音(かのん)巡査(23)。

 署によると、24年12月4日午後9時半ごろ、JR・近鉄の桜井駅にほど近い住宅街にある公園に約20人の少年らが集まって騒ぐなどしていたため、駆けつけた署員らが解散させた。その後も数人が駅周辺に移動して座り込むなどしており、署員が引き続き帰宅するよう説得した。

 午後10時半ごろ、市民から「子供が切符を買わずに改札を抜けた」と通報があり、新人2人を含む署員が駅に急行。公園から移動してきた少年2人をホームで発見し、無賃乗車しようとしたと認めたため、県内在住の14歳の男子2人を建造物侵入容疑の現行犯で逮捕した。

 この公園には夜になると市内外から少年少女が集まり、長時間にわたって滞在。騒音やごみ捨て、喫煙などが問題になっている。署には毎晩のように住民から苦情電話が入り、「署全体で対応している」(塩見俊介・生活安全課長)という。

 逮捕現場では、白井巡査が少年の所持品検査を担当。「証拠隠滅や凶器所持を想定し、相手の動きや顔をしっかり見ながら検査した。初めて容疑者に手錠をかけた時は手が震えた」と語った。一方、辻田巡査は駅員室に駆け込んで防犯ビデオを確認。「映像の表示時刻と実際の時間のずれがないか注意してチェックした」と回想した。2人とも「学校で習った通りにできたが、学校では体験できない緊張感と臨場感を味わえた」と声をそろえた。

 白井巡査は「刑事になって市民の役に立ちたい」、辻田巡査は「被害者に寄り添う強くて優しい警察官になりたい」と夢を語る。そんな2人に、指導役の戸尾臣吾巡査部長(42)=桜井駅前交番勤務=は「臆することなく行動し、とても頼もしかった。少年には健全育成のためにも毅然(きぜん)と対応しなければいけない場面があることを実感してもらえた」と話した。【望月靖祥】

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