ヴィッセル神戸・吉田監督「亡くなった方の分も」 阪神大震災30年
毎日新聞 / 2025年1月17日 10時38分
阪神大震災の発生から30年を迎えた17日、サッカーJ1・ヴィッセル神戸の選手、スタッフが神戸市中央区の東遊園地で開かれた追悼式典に参加し、震災発生時刻の午前5時46分に黙とうした。
当時、滝川二高3年で、兵庫県川西市の自宅で震災を経験した吉田孝行監督(47)は「あの日の揺れは忘れられない。亡くなった方の分も一生懸命生きなければと思います」と語った。
1995年に発足したヴィッセル神戸は震災当日の1月17日に初練習が予定されていた。震災発生で、練習場はがれき置き場となり、兵庫県内外のグラウンドを転々とする日々を過ごした。3月には筆頭株主のダイエーが震災の影響を受けてスポンサーから撤退し、苦境の中で初年度を戦った。
発生から30年。97年にJリーグに加わり、2度のJ2降格を経験したが、2023年にJ1で初優勝し、24年は連覇を達成した。選手のほとんどが震災を経験していない年代となったが、クラブのスタッフが当時の様子を選手に伝えるなどして、継承している。
兵庫県尼崎市出身で、育成組織育ちの山川哲史選手(27)は「ヴィッセル神戸がこれまでどうやって育ってきたクラブなのかということを知る機会でもあるし、自分がこのチームにいる意味を考えるきっかけになる」と話した。
チームはこの日、キャンプ地の沖縄に入る。昨季のリーグ最優秀選手賞(MVP)の武藤嘉紀選手(32)は「被災された方々にとっては節目の年でもあると思う。僕たちはリーグ3連覇、ACLE(アジア・チャンピオンズリーグ・エリート)という大きな戦いが待っている。しっかりとプレーして、結果にこだわっていきたい」と決意を新たにした。【生野貴紀】
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