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「寄り添ってくれた」 阪神大震災30年、岩手・大槌で鎮魂の祈り

毎日新聞 / 2025年1月17日 11時26分

「1・17」をかたどったLED電球の前で祈りをささげる(左から)臼沢良一さん、八幡幸子さん、西舘政彦さん=岩手県大槌町で2025年1月17日午前5時46分、奥田伸一撮影

 阪神大震災から30年となった17日、東日本大震災で被災した岩手県大槌町でも町民らが鎮魂の祈りをささげた。同町は14年前の東日本大震災で阪神地区から多くの支援を受けており「阪神の人たちは私たちに寄り添ってくれた」と感謝の思いも込めて手を合わせた。

 高台にあるガス灯「3・11希望の灯(あか)り」の前に、阪神大震災が発生した午前5時46分に合わせて3人が訪れた。町民の臼沢良一さん(76)と八幡幸子さん(74)は震災後、阪神地区と縁を結んだ。臼沢さんが灯の前にLED電球を「1・17」の形に並べ、八幡さんはおにぎりを供えた。

 臼沢さんは津波で自宅ごと流されたが、九死に一生を得た。その後NPO法人に加わり復興に尽力。阪神に何度も足を運び、大槌のまちづくりの参考にしたという。臼沢さんは「何度も支援を受け、人の温かさを感じた」と口にした。

 津波で自宅兼食料品店の1階が浸水した八幡さんは、2階で在宅避難を続けた。震災後11月の神戸マラソンに出店経験があり「阪神でも在宅避難の経験者が多かったと聞いた。私たちの気持ちを理解して寄り添ってくれた」と振り返った。

 内陸部の岩手町から訪れた西舘政彦さん(69)は、2人が毎年この日に手を合わせるのを知って駆け付けた。阪神大震災でボランティアに入った西舘さんは「30年たっても思いをはせることで(阪神で)元気になる人がいると思う」と語った。【奥田伸一】

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