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強制不妊の補償法施行 宮城の当事者団体、県に個別通知を要望

毎日新聞 / 2025年1月17日 18時51分

強制不妊手術被害者に対する補償金制度の個別通知や被害の実態調査を県に求める及川智さん(中央)=仙台市青葉区の県庁で2025年1月17日午前10時55分、遠藤大志撮影

 旧優生保護法(1948~96年)下の強制不妊手術を巡り、被害者への補償金1500万円の支給を柱とした補償法が施行された17日、全国で2番目に多い1406人が手術された宮城県内の当事者団体などが個別通知の実施や被害の実態調査などを求める村井嘉浩知事宛ての要望書を県に提出した。どれだけ多くの被害者を救済できるかが課題だが、県は被害者に制度を伝える「個別通知」の実施には消極的で、先行きは不透明だ。

 出席した「優生手術被害者とともに歩むみやぎの会」の及川智共同代表は「(手術を推進した県の)責任を踏まえ、全ての被害者に謝罪と補償を届けてほしい」と訴えた。

 強制不妊手術を巡っては、被害を認識できない障害者が対象となったケースが多いとみられている。政府は個別通知の実施を都道府県に促しているが、村井氏は15日の定例記者会見で手術記録の残る900人について、プライバシーなどを理由に「(個別通知の)一律実施は難しい」と説明。消極的な姿勢を示した。一方、県が新たに被害者を把握した場合などは「ケース・バイ・ケースで柔軟に対応する」とも述べた。

 こうした村井氏の方針について、同席した全国弁護団共同代表の新里宏二弁護士は「プライバシーを隠れみのに個別通知しないのは言語道断だ」としたうえで「被害者に直接謝罪したうえで自分の方針が正しかったかどうかを再考してもらいたい」と強く求めた。

 要望書を受けた県子育て社会推進課の三浦周課長は個別通知について「先行事例を参考にしながら、今後の対応についてみなさまと協議させていただきたい」と述べるにとどめた。

 県は法施行に伴い、同課内に補償金の「受付・相談窓口」を開設した。問い合わせは専用ダイヤル(022・211・2322)。【遠藤大志】

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