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大分の県立高推薦入試で優遇 県教委「本当に不適切」も謝罪はせず

毎日新聞 / 2025年1月22日 21時11分

県立高の推薦入試で不適切な運用があったとして、記者会見した県教委高校教育課の小野和正課長=大分市府内町3で2025年1月22日午後4時9分、神山恵撮影

 大分県内の県立高校が中学の部活で実績ある特定の生徒に対し推薦入試で一律に加点して優遇していた問題について、県教育委員会は22日、記者会見を開いて正式に発表した。県教委は一律の得点付与について「本当に不適切で、真摯(しんし)に受け止めている」との認識を示す一方、合否結果が覆るほどの影響はなかったと主張して謝罪はしなかった。

 県教委などによると、問題が発覚した高校では、2023年の推薦入試に向けて校長が内部で「強化部枠」の部活を決め、各部顧問が全国大会出場などの実績がある中学3年生をリストアップ。生徒が入学意思を示して推薦入試を受験した場合、他の受験生には与えない点を付与して優遇し、全員を合格させていた。事態を把握した文部科学省は、こうした運用について対外的に公表していなかったことなどから「不適切」と判断し、24年1月に県教委を指導した。

 県教委は会見を開いたが、この高校に通う生徒に影響があるとして学校名を非公表とし、入試の運用への影響などを理由に加点の詳しい内容を明らかにしなかった。

 このため、客観的な根拠を示さないまま「合否を覆すほどの瑕疵(かし)とは判断できなかった」と主張。それを理由に謝罪はしなかった。さらに、文科省の指導後約1年間にわたり問題を公表しなかった理由については「全ての県立高に対して是正を行い、昨年の入試が適切に運用されていると確認できたため」と説明した。

 県教委は、当時の校長が「不適切な運用」をした動機については「学校の活性化を図るために活躍が期待できる中学生を確保したい意図があったと聞いている」と説明した。

 全国の都道府県教育委員会では、入試の実施方法に疑念を持たれないよう、高校教員らが受験生や保護者を勧誘する行為を制限している例もある。県教委は現時点で同様の対応を取る考えはないとした一方、今後検討する意向を示した。

 県立高の今年の推薦入試は2月に予定されており、24日まで出願を受け付けている。問題発覚を受け、関係者からは受験生の志願動向が変わる可能性も指摘されているが、県教委は日程を変更しないという。【李英浩、神山恵】

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