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格闘家に愛されるケーキ店!?減量中に食べる「筋肉カステラ」とは 店主は試作を繰り返して「40kgくらい太りました...」 母の日でにぎわう店内を定点観測

MBSニュース / 2024年5月16日 12時57分

 減量中の格闘家が買いに訪れるというケーキ店があります。その人気の秘密とは?5月12日の母の日、いつものメニューに加えて、母の日限定のケーキでお客さんを迎えるお店の一日を定点観測しました。

店内の壁には格闘家のサインがずらり!

 5月12日の母の日。兵庫県明石市のケーキ店「プロップ」には、お母さんへのプレゼントを買い求めるお客さんが大勢来店しました。大粒のイチゴを乗せたショートケーキに、ベルギー産チョコレートを使用したケーキなど素材にこだわった優しい味が人気の秘訣です。

 (お客さん)「あっさりしていて、あまり甘くなくて食べやすいです」
 (お客さん)「(Q何のケーキが好き?)イチゴ。チョコ」

 そんなプロップにはある特徴があります。

 (プロップ大久保店店主 渡邉勝二郎さん)「サインいっぱいあるでしょ。格闘家の人たちがずら~っとありますね。ケーキ屋さんでは珍しいほうやと思いますね」

 なぜ格闘家に愛されているのか?人気の秘密を探るべく、朝から取材してみました。

いつもより1時間前倒しで準備「きょう頑張らないとおまんま食い上げ」

 午前5時50分。まだ町が静かな午前6時ごろ、1台の車がお店の前にやってきました。プロップ大久保店の店主・渡邉勝二郎さんです。この日は母の日。いつもより1時間前倒しで準備にとりかかります。

 (渡邉さん)「(Qきょうは忙しくなりそう?)なってほしいですね、やっぱり。ハロウィンとかまではほとんどイベントがないので、きょう頑張らないとおまんま食い上げです」

 開店までが最も忙しい時間帯。3人体制で準備を進めます。

 (スタッフ)「眠いです。正直眠いです」

 開店まであと4時間。渡邉さん、オーブンにつきっきりです。

 (渡邉さん)「焼けました~。おいしそう。いいにおいがしますよね。オーブン担当ってデブには向いてないと思いません?温度が下がったりしたらダメなので。僕のところだけエアコンあたらないんですよ」

 いつものメニューに加えて、母の日限定のケーキもつくります。

母の日にケーキを買い求める人たちの笑顔

 午前10時。開店直後、さっそくお客さんがやってきました。

 (女の子)「葉っぱがついてるチョコの…」
 (お母さん)「チョコにするの?」
 (女の子)「うん。…やっぱりフルーツのにしよう」

 たくさんのケーキに迷ってしまう女の子たち。一方、お母さんは…。

 (お母さん)「今何個ですか?」
 (スタッフ)「7個です」
 (お母さん)「あとモンブラン一個で」

 注文に大忙しです。

 (お母さん)「10人みんなで集まるので。きょうだいもみんな帰ってくるので」

 母の日を親族みんなで盛大に祝うんだそう。

 (女の子)「お母さん大好き」
 (お母さん)「うれしかったです。お手紙といっしょにもらえて」

 せっかくの母の日をケーキで彩ろうと、その後も次々とお客さんが来店します。

アレが入った“筋肉カステラ”とは?店主が語る開発までの苦労

 正午。やってきた男性が向かう先はケーキのショーケース…ではなく隣の商品棚。お目当てはというと。

 (お客さん)「筋肉カステラといって。自分は格闘技の指導者をやっているんですけど、練習後に食べていたら、筋肉カステラっていう名前のとおり筋肉がついてくるので。腹筋とかも普通にこんなんです」

 渡邉さん、筋肉カステラって一体何ですか?

 (渡邉さん)「ざっくり言うとプロテインが入っているカステラです」

 小麦を減らし、代わりにプロテインを入れた低カロリー・高たんぱくなカステラだといいます。

 ダイエット目的でキックボクシングジムに通っている渡邉さん。減量期に入ると甘いものが食べられなくなる選手たちの姿を見て、減量中でも食べられるおやつをつくってあげようと考えました。

 (渡邉さん)「プロテインって熱が入ると固くなるんで、ガシガシな感じのものを柔らかくするのにすごく苦労しました」

 つくっては味見を繰り返すこと1年半。ようやくおいしい商品ができあがりましたが、一方で…。

 (渡邉さん)「40kgくらい太りましたね、本当に。1日何個食べたんやろ、すごく食べたので」

 身を挺して開発した甲斐あって、今や多くの格闘家が買い求めるようになりました。

 (プロキックボクサー)「減量が始まったらいつも買いに来ます。あと11kg(減量)です。朝とかに食べても全然体重落ちるんで、ずっと続けてます」

 (プロボクサー)「普通のカステラくらいおいしいんで。減量のときはこっち(筋肉カステラ)で、減量じゃないときはケーキ食べてみたいな感じですね」

「反抗的な態度もとるけど『ありがとう』って言いたい」

 午後2時半。お会計を待つ、中学2年生の女の子がいました。

 (中学2年生)「(Q何を買った?)母の日のプレゼントを買って、お菓子も一緒に買おうかなって」

 お母さんに素直になれないときもあるそうで…。

 (中学2年生)「いつも反抗的な態度をとったりしているけど、感謝しているから『ありがとう』って言いたいです」

 お母さん、喜んでくれたかな。

 一方、そのころ厨房では、オーブンから焼きたての筋肉カステラが出てきました。甘いにおいが厨房いっぱいに広がります。

 渡邉さんはお昼も食べずに働きづめです。

 (渡邉さん)「しんどいです。でも楽しいじゃないですか、お客さんにいっぱい来ていただけるので」

大会に出場する兄妹や…元世界ランキング1位“秒殺女王”も来店!

 午後5時、来店した家族連れ。

 (お母さん)「2人ともタイトルマッチなので」
 (渡邉さん)「すごいなあ」
 (お母さん)「2人同日チャンピオンになるか」

 兄妹でキックボクシングの大会に出場するのだといいます。筋肉カステラとケーキも購入。ですが…。

 (兄)「ケーキは僕らは食べないですね」
 (妹)「カステラ食べます。(Qみんなは食べるのに?)はい」
 (兄)「試合に勝ったあとのご褒美」

 妥協の許されないストイックなスポーツ。筋肉カステラで気合い注入です。

 閉店まであと30分となった午後6時半。家族連れがやってきました。

 「ドーナツとカステラが大好きでよく寄らせてもらっています」

 こう話す女性、実は総合格闘技の元世界ランキング1位、藤井惠さん。試合開始1分以内で勝利を決めることから“秒殺女王”と呼ばれたことも。引退した今は?

 (藤井惠さん)「甘いもの、好きなものを食べるのと、旬の果物を使ったおいしいケーキがたくさんあって、今は少し食べすぎちゃって。少しセーブしなきゃいけない」

 お菓子を存分に楽しんでいます。

 午後7時。閉店時間を過ぎたころ、最後のお客さんがやってきました。部活帰りだという高校生。お母さんに渡すケーキを何とかぎりぎりゲットです。

 (高校1年生)「深く言うのもちょっと気まずいので。『いつもありがとう』くらいでこれを渡せたらいいなと思っています」

店主・渡邉さんがガッツポーズする瞬間

 お客さんが帰り、この日の営業が終わりました。

 (渡邉さん)「お疲れ様です!閉店します。疲れました、長い一日が本当に。『食べておいしかった』っていう声が聞けたらまた頑張れるんじゃないかなと思うので。しんどい仕事ですけど、楽しい仕事なので頑張ります。(Q帰ったら何を食べる?)とりあえず山盛りご飯は食べます。2合食べます」

 甘くて優しい味が誰かの活力になるように。明日に備えてひと休みです。

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