「社交ダンスに救われた」最愛の妻を亡くし何も手につかない日々...耳にしたのは大音量の『タンゴの名曲』 77歳のダンサーが"家族をテーマ"に娘と大会で踊る!新技『片手リフト』は決まるか!?
MBSニュース / 2025年1月26日 15時36分
「社交ダンス」のアマチュアダンサー・前田明さん、77歳。56歳で社交ダンスを始め、これまでに海外の大会にゲストとして出演した経験もあります。今回出場したのは、プロ・アマが同じ条件で競うショーダンスの大会。“新技”を引っさげて、元プロダンサーの娘と共にステージに立ちます。70歳を超えても挑戦し続けるその姿に密着しました。
社交ダンスを始めたきっかけは“妻の死”
兵庫県内などで会社を経営する前田明さん。ジムでほぼ毎日、2時間みっちりと体を鍛え上げています。
(前田明さん)「(ダンスの衣装は)30着くらいはあるでしょうかね。年に10~20回くらい踊ってきましたので」
ヨーロッパを中心に愛され続けてきた社交ダンス。日本でも約130万人が愛好していると言われています(※洋舞を含む)。前田さんが社交ダンスを始めたのは56歳。きっかけは最愛の妻・和美さんを病気で亡くしたことでした。
(前田明さん)「妻を亡くして、その直後は何もできなかったんです。苦しいことやら悲しいことがありましたが、(社交ダンスに行ったら)タンゴの名曲が大きな音で流れていて、あのときに救われました」
男手ひとつで4人の子どもを育てる忙しい日々のなかで、たまたま近所のダンス教室に通い始めたところ、すぐ虜になりました。
社交ダンスは2人1組で踊ります。前田さんの得意技はパートナーを持ち上げる「リフト」。頭の上まで高く持ち上げる豪快な技は、愛好家の間で“前田リフト”と評されています。2013年にはダンス界のワールドカップと呼ばれるイギリスの大会にゲストとして出演。会場はスタンディングオベーションに包まれました。
「父への感謝を返せるかなと」元ダンサーの娘がペアを組む
去年7月、前田さんは新たな挑戦に向けて、練習を重ねていました。4か月後に東京都内で行われる、プロとアマチュアが同じ条件で競うショーダンスの大会に初めて出場するのです。
(前田明さん)「両親、妻、同級生がどんどん亡くなっていった。自分も死ぬことは間違いない。自分の踊りをどこまでやれるのか、極めてみたいと思ったんです」
ペアを組むのは、娘の真理子さんです。真理子さんは大学卒業後、父の影響で社交ダンスを始め、プロのダンサーになりました。4年前に引退しましたが、父の挑戦を応援したいと参加を決めました。
(娘・真理子さん)「父への感謝をこれで返せるのかなと思ったので引き受けました。難しいところはいっぱいあるんですけど、お父さんにしかできないリフトをどれだけ評価してもらえるか挑戦したいです」
片手でパートナーを持ち上げる新技「片手リフト」に挑戦!
「男女の愛を表現する」と言われる社交ダンスですが、今回は親子での挑戦。家族をテーマにした曲『手紙~愛するあなたへ~(作詞・作曲 藤田麻衣子)』で踊ります。
前田さんは、この大会で新たな技を披露することにしています。片手でパートナーを持ち上げる「片手リフト」です。もう片方の手は、脚を支えるだけ。真理子さんの全体重を右手だけで受け止めます。しかし、こうした技だけでは大会で高得点を出すことはできません。採点では技の難易度よりも、ダンスの「しなやかさ」やペアの「一体感」がより重視されるのです。
(瀬古知愛コーチ)「ダンスというものを見せていくうえで、もう少し“柔らかさ”だったり、そこが課題になってくると思います」
大会2週間前、前田さんは77歳になりました。子どもや孫などに祝福され、大会への英気を養います。
(前田明さん)「いよいよやなと思って。多くの人たちの応援によって試合に挑めるという気持ち。感謝しています」
「自分では100点くらいあげてもいいかな」
去年11月、ついに本番の日。親子での挑戦の集大成です。2人が出場するラテンアメリカンの部門には13組がエントリーし、上位6組に入れば決勝に進むことができます。前田さんペアは大会主催者から挑戦心を称えられ、スポンサー推薦枠で出場。77歳の前田さんは大会史上最年長です。
各ペアのダンスが披露されていき、前田さんたちの番がやってきました。まずは、前田さんが得意とする両手でのリフトを確実に決めます。そして、新技「片手リフト」は…見事、真理子さんを支えきりました。
惜しくも決勝進出はなりませんでしたが、前田さんはすでに次を見据えていました。
(前田明さん)「自分では100点くらいあげてもいいかなと。これを次のホップステップジャンプのステップにしようと思っています。これが終わったら、早々に練習に入るつもりです」
人生100年時代。まだまだ華麗なステップを踏み続けます。
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