<コネ社会で生きてる人が無能に見える>「少年ジャンプ」連載クビ切りの競争地獄を勝ち抜いて見えてくるもの
メディアゴン / 2015年8月24日 7時0分
江川達也[漫画家]
* * *
昔、「少年ジャンプ」(集英社)で連載していたことがある。
「少年ジャンプ」は、一年に4回新連載が3本始まるという方針があった(今は知らない)。それは、一年に4回連載が3本終わることを意味している。
20本の連載中の3本なので、会社で言うと15%の社員のクビが3ヶ月に1回切られ、同じだけの新入社員が会社に入る感じだろうか。クビを切られる基準は人気投票である。雑誌についている人気投票で毎週順位が1位から20位まで決まる。
10位以内にいれば、ほっと出来るが、15位以下だと、心は千々に乱れる。クビの危険水域だ。
連載が始まった新人が3ヶ月もたないで、連載終了になって、漫画界から消えていったりする。連載陣にとって、面白い新連載が始まらないことが有り難い。読者にとっては、面白い新連載は嬉しいが、連載陣には辛いのだ。
筆者が描いていた頃の「少年ジャンプ」は、部数がどんどん伸びていた頃だった。なぜか、人気の新連載がどんどん始まって、「少年ジャンプ」全体が面白くなっていったからなのだ。
同じレベルで面白い漫画を描いていると、それ以上に人気のある連載が始まってしまうと、一位順位を落とす。そう、面白い漫画が始まるだけで順位が一位下がるのだ。
面白い漫画が20本始まってしまったら、同じように描いていたら、終わってしまうのである。クビになってしまうのだ。
部数が伸びまくっている時の「少年ジャンプ」でのサバイバルは本当にキツかった。だが、有用なデータがとれた。まあ、データをとるために「少年ジャンプ」で連載しようとしていた部分もあるので、とても有り難かった。
しかし、自由競争は本当にしんどいものだ。何度も15位以下の危険水域をうろついたことがある。その中での分析と努力がその後、恐ろしく役に立った。
人気があるものが価値があるかといえば、筆者にとってはあまり価値はない。筆者はマイナーな人間なので、世間の人気はくだらないと思っている。だが、自由競争を体験しなければ、見えて来ないものもあると思って競争社会に身を投じてみた。データがとれたので、そこからは、抜けた。
だが、後遺症が残った。
「コネ社会で生きてる人が、無能に見える」
という後遺症が。
(Facebookから転載)
(江川達也)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
北斗の拳・原哲夫『マッドマックス』フュリオサを描き下ろし!最新作は「すべてが最高!」
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年5月16日 8時0分
-
ジャンプで今、最も勢いがある漫画 『カグラバチ』世界が注目!集英社説明で2巻の一部公開
ORICON NEWS / 2024年5月1日 0時0分
-
読者がハマっている漫画トップ10を発表【モデルプレス国民的推しランキング】
モデルプレス / 2024年4月30日 21時30分
-
「まだ続きそうだったのに」「無限妄想」 衝撃的終わり方をした人気マンガ
マグミクス / 2024年4月25日 19時25分
-
北条司『シティーハンター』冴羽リョウ・鈴木亮平に明かすブレイク秘話 コミカル路線がヒット
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年4月25日 8時32分
ランキング
-
1大阪・枚方市のマンションで19歳の女子大学生が刺され死亡、26歳無職男を殺人容疑で緊急逮捕
読売新聞 / 2024年5月18日 23時13分
-
2「殺害も頼まれた」 那須2遺体 「指示役」を殺人容疑で再逮捕へ
毎日新聞 / 2024年5月18日 23時0分
-
3能登観光復興へ「輪広げる」 石川・七尾の道の駅が再開
共同通信 / 2024年5月18日 21時40分
-
4つばさの党の妨害15回以上 選挙カー追い回し 運転役ら立件も検討
毎日新聞 / 2024年5月18日 18時30分
-
5いったい誰が?万博「ミャクミャク」モニュメント、今度は落書き被害
毎日新聞 / 2024年5月18日 17時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください