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<乱立するアナウンサー>本当に必要なのは司会進行の出来るアナ?

メディアゴン / 2017年10月19日 7時30分

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

* * *

NHKの新人アナウンサーは入局すると全員集められて上司にこう言われると、聞いたことがある。

「君たちは芸能人ではありません」

では、アナウンサーとは何か。NHK自作自演の採用サイトには次のように記されている。

「ニュース、司会、スポーツ実況、災害リポート、インタビュー、ナレーションなどあらゆる番組が活躍の舞台。放送局の花形に見えるが、アナウンサーも番組作りの一員。チームで作った番組を最後に言葉で伝えるプロ」

いまや、民放も含めるとアナウンサーはこの定義の範疇を超えていると思われる。

筆者は1996年に「はなまるマーケット」(TBS)の立ち上げに加わったが、オウム事件でのワイドショー批判を受けて、この番組は「ワイドショーではないものをつくる」ということが、至上命題であった。

「ワイドショーではないもの」にするためにはどうするか。そうチーフプロデユーサーに問われ、筆者はまず、内容より外見、つまり視聴者からの見た目に差異を付けるべきだと言った。

その象徴はワイドーショーにおける、リポーターという職種の存在である。ワイドショーには、芸能リポーターが、葬儀の会場に出掛けて今の気持ちを聞き、犯罪では被害者の親族に今の気持ちを聞き、おそらくよくは知らないと思われる、いわゆる「近所の人」に加害者の人となりを聞く。

ずかずかと人の心に土足で上がり込んでいく人がリポーター。それが表面に出てくるのがワイドショーであると言う確信が筆者にはあった(註・今のワイドショーはもっと進化している)。

【参考】<古館氏の「報ステ」降板で考える>理想の日本人ニュースキャスターの資質を持っている人は誰か?

もちろん、取材し、体験し、報告する人は番組には必要だ。しかし、この人たちを番組内で「リポーター」とは呼びたくない。採用の中心はローカル局でアナウンサーを務めた人たちであったからだ。ならば、アナウンサーと呼べば良いのではないか、そう思った。

ところが、である。

この提案は局の上層部から否定された。アナウンサーと呼べるのは、局にアナウンサーとして採用された人のみだというのだ。なんと偏狭なと思ったが、譲歩して「はなまるマーケット」の報告者は「はなまるアナ」と呼ぶことにした。

つまり、「アナウンサー」とは、かつては局アナのみが存在し、昨今全盛のフリーアナウンサーなどは存在していなかったのである。

このような筆者の経験を踏まえて、今のアナウンサーをその機能から6種類に分類してみる。

<タレント型>

フジテレビに多い、パンと名のつく番組をやった人は皆ここである。チノパン=千野志麻、アヤパン=高島彩、ショーパン=生野陽子、カトパン=加藤綾子、ミオパン=松村未央(以上フジ)、水卜麻美(NTV)、夏目三久(元NTV)、田中みな実(元TBS)、小林麻耶(元TBS)、有働由美子(NHK)

<ナレーション型>

加賀美幸子(元NHK)。大河ドラマ「峠の群像(1982年)」「風林火山(2007年)」でナレーションを務めた押しも押されもせぬナレーションの第一人者。TBSのドラマ「LEADERS 」でも起用されている。

山根基世(元NHK)。大河ドラマ「太平記」、TBSの「半沢直樹」も担当。加賀美、山根の起用はTBSドラマ班の慧眼である。

<実況型>

スポーツアナウンサーである。この手の人でありがちな「うるさいの」は筆者は嫌いである。

<司会・進行型>

小野文恵(NHK)。番組は決して台本どおりには進行しないし、また、台本どおりに進行するのがすぐれた番組ではない。常に現場処理の能力が必要とされる。司会・進行の能力というのは、この現場処理能力のことを言うのである。今の第一人者は小野文恵アナである。NHKは彼女をクローズアップ現代に起用すべきである。

小野アナはじめ、この司会・進行型のアナウンサーの特技としてあげておきたいのは喋り続けるメイン司会のタレントやコメンテーターの話を、相手が傷つかないように、止める技を持っていることである。相手がスッと息を吸ったところに間髪入れずに割り込む。

有働由美子(NHK)、西山喜久恵(CX)、八木亜希(元・CX)もその素質がある。しかし残念なことに、ここに分類される人はきわめて少ない。

<原稿読み型>

武田真一(NHK)。この人が伝えるものに限っては「フェイクニュースはない」と感じさせてしまう安定感。

<アシスタント型>

高橋佳代子(元テレビ岩手アナウンサー)。日本テレビ『午後は○○おもいッきりテレビ』ではみのもんたのアシスタントを務めていた。この人を筆者は「動くフリップ台」と呼んでいたが、もちろんこれは貶しているのではない。

みのもんたに影のように付き従い、絶妙のタイミングでフリップを渡す。みのもんたの進行を操っているのはこの人なのである。職人芸である。ほかのアシスタント型は芸の域に達していない人がほとんど。台本に従って声を出すだけのアシスタント型は多い。

それぞれの型の集合は互いに重なり合い、両方ができる人、両方を志向する人がいるので名前は重複している。

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