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<失われた企画意図>『THEMANZAI2014』の製作者は博多華丸・大吉の優勝で視聴者に何を届けたかったのか?

メディアゴン / 2014年12月17日 2時34分

高橋秀樹[放送作家]

* * *

通常、番組を企画し、放送するには、各局の編成局に企画書を出し通過することが必要である。

企画書には必ず企画意図を書く。では、先日放送された『THE MANZAI 2014』(12月14日・フジテレビ)の企画意図の欄にはなんと書いてあったのだろうか。公式ホームページを見ると「2014日本で最も面白い漫才師は?」と書いてある、これが番組の企画意図なのだろう。

ならば、言いたいことが山ほどある。次長課長はナゼ出ないのか。フットボールアワーはナゼ出ないのか。中川家はナゼ出ないのか。インパルスは、笑い飯は、バナナマンは、ナインティナインは、ダウンタウンはどうした?

これらの漫才師として実力のある人々は、いま、ひな壇芸人や司会者になったので漫才はやっておらず、タレントとしての扱いだから、漫才師ではないとでも言うのだろうか。そうだと判断しているのなら、はっきり言えば「認識違い」であろう。

博多華丸・大吉の今回の漫才は見事なおもしろさであった。「そんなことはどうでもいい」という向きもあろうが、きちんと笑える話芸になっていた。では、博多華丸・大吉は、「オレたちは日本一面白い漫才師になった」と喜べばいいのか? と問われれば、それは「違う」と本人たちも思っているだろう。

かつて、『M-1グランプリ』(2001年〜2010年)という朝日放送 (ABC) が制作する番組があった。この番組の企画意図は単純明快である。

出場資格は、活動開始から満10年未満の若手。その若手の中から、コンテスト形式で「その時に披露した漫才が最も面白かったコンビ」がグランプリを獲得する。グランプリ獲得者はテレビの寵児となるパスポートを得る。ビザが発行されるかどうかは本人たちのその後のがんばりによる。

何か大人の事情があったのだろうか。若手漫才師のコンクールとして行われていた『M-1グランプリ』(朝日放送・テレビ朝日系列)を終了後、その後継プロジェクトとして、フジテレビが、1980年代に放送していた『THE MANZAI』を復活させる形で開催したのが、この第2次『THE MANZAI』である。

漫才に詳しい、あるいは興味を持っている一般の視聴者にはそのように理解しているはずだ。

しかし、前述したことでわかるように、第2次『THE MANZAI』と『M-1グランプリ』とは、全く違う番組である。しかも、第2次『THE MANZAI』と元祖『THE MANZAI』も、全く意図を異にする。

元祖『THE MANZAI』は、コンテストではない。製作者が選びに選んだ、「その時点で最も面白いと判断する漫才師」が登場して、その芸を披露して楽しんでもらう、という純粋なネタ番組であった。

明石家さんまは、

 「笑いに順位をつけるのは意味ないやろ」

と、筆者に語ったことがあるが、同意である。笑いには好き嫌いがあるだけで順位はない。ただ、順位をつけることで視聴者を楽しませる、出場者にチャンスを与える、という趣旨のもとでなら成立する。

コンテストやオーディション番組にはそれぞれの企画意図がある。山口百恵、ピンクレディを生んだ日本テレビの『スター誕生』(1971年〜1983年)は、巨大芸能プロ・渡辺プロダクションに牛耳られてしまったキャスティング権をテレビ局に取り戻すために自前のタレントを作るという意図のもとに始まった番組だ。

同じ、日本テレビの『お笑いスター誕生!!』(1980年〜1986年)からは、「B&B」や「とんねるず」がグランプリ獲得者となっているが、これは、たけし・さんま・紳助といった、『オレたちひょうきん族』以外のお笑いスターを自局シンパとして手に入れようという出来レース感の漂う番組であった。筆者も、今はいなくなった「ギャグ・シンセサイザー」というコンビにネタを書き下ろしていたことがる。

で、第2次『THE MANZAI』である。この番組は、何を目指すコンテスなのか少しもわからない。審査員も困ったことだろう。

西川きよし(68歳)テリー伊藤(64歳)関根勤(61歳)渡辺正行(58歳)オール巨人(63歳)大竹まこと(65歳)志村けん(64歳)春風亭小朝(59歳)ヒロミ(49歳)の平均年齢61歳の各審査員。ごく普通に、将来性などを加味せずに考えれば、優勝は考えるまでもなく「博多華丸・大吉」である。

結局、その通りの投票結果になったわけだが、大竹まことだけは「トレンディ・エンジェル」に票を投じた。それは「何を選べと言っているのかぼくには分からない」と言う大竹まことの批判票のように、筆者には思えた。

ところで日刊スポーツによれば 朝日放送(ABC)の脇阪聡史社長(66歳)は2014年7月30日、大阪市福島区の同局で緊急会見を開き、2010年末でいったん終了した漫才日本一決定戦「新生M‐1グランプリ」を来年夏に復活させることを発表した。

大人の事情が解決したのだろうか。まずはめでたい。

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