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藤井 風、日産スタジアム2daysで14万人動員 YouTubeアーカイブ配信も延長決定【「Fujii Kaze Stadium Live “Feelin' Good”」ライブレポ・セットリスト】

モデルプレス / 2024年8月26日 12時15分

「会いに行きます!」と言ってステージ上に建てられたガレージでヘッドセットを装着し、自転車にまたがってフィールドをぐるっと一周駆け抜けながら歌った、“さよならべいべ”で7万人のオーディエンスと開放的なコミュニケーションを果たした後、気づけばすっかりと夜の闇が濃くなってきたフィールドに、バウンス的なアプローチも導入されたファットなヒップホップ・ビートがドープかつ痛快に響くインタールードへ。リフレインされる「Where have you been? I’ve been looking for you」という言葉(“きらり”のサビの英語バージョン)に、やがて「CASTING CALL」というコールが重なっていく。今回のライブでも総合演出を務めた盟友・山田健人による映像も最高にクール。

そこからの“きらり”、“キリがないから”、“燃えよ”というダンサブルな3曲では、フィジカル的にもより大きな躍動と高揚を誘発しながらスタジアムの熱をぐんぐん引き上げていった。巧みなコード・プログレッションが施されたスペイシーなファンクチューン“キリがないから”でのロボットダンスや、“燃えよ”で新たに追加されたダンスパートも含め、ダンサー陣との呼吸もバッチリ。楽曲の終盤、リリックがある箇所以上に雄弁な、まさにその魂そのものが音楽になっていく様を目の当たりにするかのような圧倒的な歌唱も実に見事だ。

◆藤井 風、バンド演奏では初披露の楽曲も

デビュー以降では初めてバンドで演奏するという“風よ”、そして続く、こちらもバンドでやるのは初めてとなった“ロンリーラプソディ”では、自身もピアノを奏でながら、再びじっくりと心の奥深くに降りていくように、その宇宙へと聴く者を惹き込んでいった。大観衆が描き出す一体感といったものよりも、彼が生み出す音楽がセーフスペースとなり、一人ひとりのあるがままの心がそっと解放されてゆくような、深い充足感が静かに会場を満たしていく。湘南乃風の“恋時雨”のピアノ弾き語りを1フック挟みつつ、イントロをピアノで響かせて“死ぬのがいいわ”へ。ARIWAとEmoh Lesというふたりと織りなす有機的な声のハーモニーも美しい。

バンドのセッションとダンサー陣によるブレイキンで魅せたのち、ややオーバーサイズのジャケットにタイを締めた姿でサックスソロを響かせて始まった後半戦は、“Workin’ Hard”からスタート。ケンドリック・ラマーやSZAも手掛けるDJ Dahiと共に制作した、ローの効いたヘヴィなビートが特徴的なストイックなヒップホップ・トラックである原曲をバンドアレンジに展開し、『LOVE ALL SERVE ALL』以降にまた新たなフェーズを切り拓き始めている藤井の音楽世界を提示しつつ、軽快なドライブ感を放つ“damn”、そして原曲とはガラリと表情を変えたガレージロック・バージョンともいうべき“旅路”を披露していく。藤井はどの楽曲も自身のピアノと声のみで表現することができてしまうアーティストであると同時に優れたエンターテイナーでもあり、だからこそ、その楽曲は本質とメッセージを損なうことなくいかようにもアレンジ可能で、様々なポテンシャルを内包している。

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