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【「スロウトレイン」インタビュー前編】脚本家・野木亜紀子氏、オリジナル脚本描くきっかけになった土井裕泰監督の存在――再タッグで生まれた新ドラマとは

モデルプレス / 2025年1月2日 8時0分

― これまでも多くのホームドラマが作られている中で「逃げ恥」のように新しい結婚や家族の形を描いた作品もありますが、ホームドラマを書くことに対する考えなどがありましたら教えてください。

野木:多分ホームドラマって形は変われど、5年後も10年後も作れるものだと思います。今やっている「海に眠るダイヤモンド」もいろいろな要素はありますが、昭和の一つのホームドラマとして描いている部分もある。変遷していく家族像は時代が変わっても描けるので、ホームドラマはこの先もなくなることはないと思います。

― 与える影響も大きいと思います。

野木:そうですね。ただ、実際どれぐらい与えているんですかね。「逃げ恥」は海野(つなみ)先生の原作あっての作品ですが、ドラマで描いたことで世界がどれぐらい変わったかと聞かれたら大して変わっていない気もします。世の進みはゆっくりだからあまり期待しても仕方ないなと思いつつ、たとえ劇的に何かを変えることはできなくても、ドラマでスタンダードとして描くことでスタンダードになっていくこともあるかもしれないですよね。

◆野木亜紀子・土井裕泰、お互いから見た魅力

― 厚い信頼関係のあるお二人ですが、改めて、お互いの素敵だなと思うところを教えてください。

野木:急に恥ずかしいですね(笑)。でも、この年代でこんなに穏やかで才能のあるディレクターはなかなかいないんじゃないでしょうか。今回も土井さんの卒制と聞いてスタッフみんな「やります」と前のめりになっていたみたいで、そのくらい人徳がある方。役者さんたちもみんな土井さんのことが好きだから集まってくれたんだと思います。

土井:野木さんは、一言で言うと根性がすごい(笑)。自分が納得いくものを出すまで決して妥協しないし、はっきりものを言う人なので、すごく仕事がしやすいです。僕たちがやっていることって正解がないので、道に迷うことも多い。そんな時、野木さんのようなブレずにものを言う人がいると、ぼんやりとしていた作品の輪郭やテーマがちゃんと見えてくるんです。

野木:本当にありがたい出会いです。今回また土井さんとこういう形で一緒に作れて良かったです。

★キャラクター誕生の裏話などについて聞いたインタビュー後編も公開中。

(modelpress編集部)

◆野木亜紀子(のぎ・あきこ)プロフィール

脚本家。これまで、 「空飛ぶ広報室」(2013年/TBS)、「重版出来!」(2016年/TBS)、「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年/TBS)、映画「図書館戦争」シリーズなど多数の名作を手掛けた。オリジナル脚本作品にドラマ「アンナチュラル」(2018年/TBS)、「獣になれない私たち」(2018年/日本テレビ)、「コタキ兄弟と四苦八苦」(2020年/テレビ東京)、「MIU404」(2020年/TBS)など。近年の主な作品は、ドラマ「海に眠るダイヤモンド」(2024年10月期/TBS)、映画「カラオケ行こ!」(和山やま原作)、「ラストマイル」(ともに2024年)など。

◆土井裕泰(どい・のぶひろ)プロフィール

TBSテレビのドラマ演出家・映画監督。主な演出ドラマは「魔女の条件」(1999年)、「フレンズ」(2002年)、「GOOD LUCK」(2003年)、「ラブシャッフル」(2009年)、「空飛ぶ広報室」(2013年)、「コウノドリ」(2015、2017)、「重版出来!」(2016年)、「カルテット」(2017年)、映画「ビリギャル」(2015)、「罪の声」(2020)など。近年の主な作品は、ドラマ「持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜」(2022)、「ラストマン-全盲の捜査官-」(2023年)、映画「花束みたいな恋をした」(2021年)など。2025年4月4日に映画「片思い世界」の公開が控える。

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