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「地獄の果てまで連れていく」脚本家イ・ナウォン氏、日韓で異なるドラマ制作方法語る「暗黙の了解とされている」

モデルプレス / 2025年1月13日 11時45分

ー 行動原理や感情のラインには、どのような軸を持たれたのでしょうか?

それぞれに軸がありますが、「この人にとって、何がいちばん大切なのか」を基準として考えていきました。紗智子は自分の大切なものを奪った麗奈への復讐がいちばんの目的。麗奈は、一見感情のないモンスターのように映りますが、彼女の中にも「大切なもの」があります。物語が進んでいくと、麗奈の内に秘めているものも少しづつ明らかになっていきます。それぞれの“大切なもの”に対して、どのように行動するのか。その主軸を常に意識しました。連続テレビドラマとしても、1話ではこういった感情が起こり、それが中盤ではどう展開して、さらに後半でどうなっていく…と、回を重ねることによる感情のゆらぎのラインを繊細に表現することを心がけました。

◆「人間を理解するための作業」イ・ナウォン氏が語る脚本論

ー 凄惨な事件の創作は考えるだけで病んでしまいそうですが…

感情の振れ幅を緻密に追いかける作業は、想像以上に困難でした。特に異常な心理や行動を持つキャラクターのリサーチでは、「こんな行動は現実にはありえない」と思うたびに、精神的な負担を感じることもありました。脚本を書く際、デスクトップに資料用のフォルダを作るのですが、今回は特に異様なフォルダ名が並びました。「殺し方1」「殺し方2」など、自分でも苦笑してしまうほどでした。

ー 脚本執筆時に、大切にされていることはありますか?

脚本を書くことは、人間を理解するための作業なのではないかと考えています。カッコいいセリフを書きたいとか、そういう気持ちはないんです。世の中には本当に多様な人がいますが、私は「この人はこういう人だ」と決めつけるのではなく、その奥深くにある本質を知りたいと思っています。上辺だけではなく、“もっと知りたい”と思って接すると、もしかしたら初めのイメージと違う人間的な一面に出会えるのかもしれないなと。私は人が好きなんです。

(modelpress編集部)

◆脚本家イ・ナウォン氏プロフィール

1988年韓国生まれ。父の留学で子供の頃、茨城県で5年間、アメリカ・ポートランドで2年間過ごす。韓国の中央大学演劇学科劇作専攻卒業。韓国放送作家協会教育院卒業。(脚本家のキム・ジウ氏に師事)その後、SBS連続ドラマ「お願い、キャプテン」をはじめ、韓国でドラマの脚本アシスタントとして働く。2016年、日本に留学。東京藝術大学大学院映像研究科脚本領域に入学し、脚本家の坂元裕二に師事。卒業後、日本を拠点に脚本を書いている。

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