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30mの高さから新車を落下!? ボルボが救助隊支援のため新車をクラッシュさせた理由とは

MōTA / 2020年11月18日 7時50分

ボルボ 新車を30mの高さから落下させるクラッシュテストを実施

皆さんは交通事故の現場などで、原型をとどめないほどひしゃげた車を見たことはあるだろうか。ちらりと見るだけでも怖ろしいが、救急隊はその鉄の塊の中から乗員を救出しなくてはならない。そしてその訓練のため、30mの高さから自社の「新車」10台を惜しげもなくクレーンで落下させる自動車メーカーがある。…そう、安全の鬼、ボルボだ。

ボルボ 新車を30mの高さから落下させるクラッシュテストを実施

ひしゃげたボルボ車で訓練! 1時間以内に乗員を救出せよ

ボルボの本拠地である、北欧スウェーデン。数ある自動車メーカーの中でも特に安全に重きを置いているボルボは、長年にわたり国内のレスキューチームとも密接な関係を築いている。ボルボは彼らが行う交通事故時の救助シミュレーションにも協力しており、安全センターでクラッシュテストをした後の破損したクルマを提供することで、チームの救助技術向上に貢献してきた。

激しい衝突を再現するため、クレーンから…

しかし今回、クラッシュテスト後の車両でなく最新のボルボ車10台が提供され、クレーンで30メートルの高さから落下させるという前代未聞のクラッシュが行われた。これはさすがにボルボとしても初の試みだ。30メートルというと約10階建てのビルの高さに相当し、衝突する瞬間の速度は、およそ90km/h(空気抵抗がなく物体が自由落下する際の速度)に達する。

そしてこの過激ともいえる方法によって、例えばスピード超過による単独事故や、高速でのトラックへの追突事故、側面からの激しい衝突事故など、非常に激しい事故とその車体の破壊具合を再現することに成功した。

これにより、レスキューチームはできるだけ早く車内から乗員を救出し、事故発生後1時間以内に患者を病院に運ぶという目標に向け、これらのひどい状態の車体を使ってシミュレーションに励むことができたのである。

なぜ新車を!? 最新モデルを落下させた理由

救助訓練のために激しく破壊された車体が必要であることは分かったが、しかし、何も最新モデルの新車をクレーンで落とすことはないだろうと思われた方も多いだろう。

レスキューチームも通常であれば、訓練用の車両はスクラップ場から入手している。しかし、これらのクルマは20年以上前のものであることが多い。クルマの大きさや乗員数は昔から変わらないかもしれないが、鉄の強度、車体構造、全体的な耐久性の点では最新のクルマと大きな違いが出てきてしまうのだ。

新しいモデルでの訓練も必要!

レスキュー隊員たちは新しい救出技術を開発するため、常に最新の車種に慣れ親しみ、救助プロセスを見直し、トレーニングをアップデートする必要がある。その点、今回使われた新しいボルボ車は現代の基準に合致した最も硬い鋼鉄を多用して作られており、より実際の交通状況に近い訓練が可能となったのである。

万が一を想定し、あらゆる対策を

尊い使命のために落下してくれた、10台の各最新モデルのボルボ車たち。

ボルボ・カーズ交通事故調査チームのホーカン・グスタフソン氏は、「私たちは、誰もが深刻な事故を経験しないことを願っていますが、すべての事故を回避できるわけではありません。そのため、深刻な事故が起きたときに命を救う方法を習得しておくことが重要なのです」と語っている。

救助してくれる方の努力や工夫には頭が下がるばかりだが、それらの技術が活躍しなくても済むよう、年末に向けて運転には気を引き締めたいものである。

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