1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

♯1 手でギヤチェンジするベスパPX。その新車がもうすぐ(日本でも海外でも)買えなくなるという事実

MotorFan / 2018年8月9日 8時10分

♯1 手でギヤチェンジするベスパPX。その新車がもうすぐ(日本でも海外でも)買えなくなるという事実

世界中の誰もが知っていると言っても過言ではないスクーターの名車、それがベスパPXだろう。そのPXだが、じつはすでに生産を終えており、新車は世界中に流通している在庫のみとなっている。今年で市販開始から40周年を迎え今もなお世界中で愛されているPXについて振り返ってみようと思う。 REPORT●大家伝(OYA Den)

左グリップにハンドチェンジ機構のためのシフトワイヤーがあったり、スペアタイヤの配置箇所などが見て取れる貴重でめずらしいカットモデルの写真だ。

 ベスパというメーカーは生産終了を大々的にお知らせするメーカーではないから、というのもあるだろう。意外と認知されていない事実だが、ベスパのハンドチェンジスクーターとして知られているPXは、2017年に生産を終えたモデルである。正確な理由は不明だが、おそらくユーロ規格の排ガス規制をクリアできないといった止むを得ない状況だったのだろうと推測する。つまり、PXの新車は市場に流通している在庫限りで最後となってしまうのだ。

ベスパブランドの屋台骨だったPX

 そもそもの話だが、なぜベスパが世界でもっとも有名なスクーターと言われるのか? それは「世界中の人々の生活に寄り添うように長い間あり続けたから」というのが理由の一つだといえる。

 ベスパは戦後の復興期に、人々の生活に欠かせない移動手段であったり運搬手段であったり……というところから始まり、瞬く間に普及した。しかも世界各地でライセンス生産が行われたことで、まさに世界各地でベスパが活躍していた。
 さらにベスパは70年超の歴史があるため、多くの国で世代を越えて知られ求められてきた実績もある。そうしていつも目にする機会が多かったからこそ人々の記憶に残り、誰もが知るとまで言われるほど有名なスクーターとなったワケなのだ。

 そんなベスパは当初から2ストエンジン搭載&ハンドチェンジ機構という、独自のパッケージを展開。もう少し詳しく説明しておくと、軽量で強度も十分に保たれたスチールモノコックボディの採用、左グリップまわりでクラッチ操作とシフトチェンジを行うハンドチェンジ機構の採用、タイヤ交換を容易に行えるよう配慮したフロント片持ち式サスペンションとスペアタイヤの常備、走行中に衣服を汚す事がないようレッグシールドを備えつつ女性が足を揃えて乗車出来るフラットフロアの採用などがそう。こうした画期的なポイントを引き継いだ完成形ともいえるベスパがPXだ。

 PXは元々Pというモデル名でスタートし、発表されたのは1977年10月19日。翌1978年に市販開始され、じつに40年が経過。これはかなり凄いことで、ベスパの約70年分の歴史の半分以上をPXが担っていることになる。こうなるともはやPXがハンドチェンジスクーターの完成形だと言って差し支えないだろう。
 次回はPXのディテールに迫っていくことにする。

スタート時点のモデル名はPで、P以前のモデルより足まわりが格段に進化するなどトータルで進化して登場。分離給油採用モデルもPからラインナップされ、それまでの混合給油式より使い勝手も向上した。

PからPXと名称が変わり、バッテリー搭載、ミクスチャー機構(分離給油方式)、エレスタート(セルスタート)を搭載していて、それらの頭文字からPX BMEというモデルが登場。その後クラッチが軽く操作できるように改良された。

ディスクブレーキが装備されたPX FL1が登場。その後ハロゲン+マルチリフレクタータイプのヘッドライトを採用したPX FL2へと進化。安全面の改良に力を入れていたが、FL2を最後に一度生産終了している。

最終モデルへとつながるPX Euro3が、ベスパの生誕から65周年を迎えた2011年に登場。旧モデルやオートマモデルからの流用&新開発パーツも多く見られ、総じてPからの流れを受け継いでいて完成度は高い。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください