衝撃! LiDARは黒く暗い塗装の車両を検知しにくいという事実。だがアクサルタのLiDAR反射塗料がそれを解決する!?
MotorFan / 2018年10月24日 21時25分
米デュポンが2012年に売却した塗料部門を継承する米アクサルタコーティングシステムズは10月17日、最新の自動車カラートレンドに関する説明会「アクサルタ・カラーショー2018」を都内で開催。このために来日した本社グローバル・カラー・マーケティング・マネージャーのナンシー・ロックハート氏はプレゼンテーションの中で、LiDAR反射塗料を開発中であることに加え、植物由来マゼンタ顔料や遮熱塗料も提案中であることを公表した。 PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
自動運転技術が今後進化していく中で、LiDARがセンサーの一つとして普及していくものと見込まれている。このLiDARは距離を測定するため、一般的には905~1600nmのパルスレーザー光を用いているが、ボディカラーによってその反射率が異なるのだという。
具体的には、ボディカラーがソリッドの白の車両は、正面でも斜め前方にいてもLiDARの光をキレイに反射するため検知しやすい。だが黒の車両は光を吸収するため反射光が弱くなり、LiDARが検知しにくい傾向にある。
そのため将来的には、LiDARに検知されにくい黒系の色は事故を起こしやすいため敬遠され、検知されやすい白系の色が多く選ばれる可能性があると、ロックハート氏は指摘している。
またシルバーは、イメージとしては光を反射しやすいように思えるが、実際には塗膜に含まれているアルミフレークが光を乱反射する性質を持つ。従ってその車両が真正面にいる場合は白と同様に検知しやすいが、角度が付くと光の反射が変化するため、LiDARにとっては検知が容易ではない色なのだという。
こうした傾向を踏まえ、アクサルタは現在、黒やシルバーなどの色でもLiDARが検知しやすい、LIDAR反射塗料の開発・テストを進行中。「LiDARが全世界に普及してもボディカラーの選択範囲を狭めないための先行開発を行っている」ことを、ロックハート氏は公表した。
なお、LiDARが発する光の反射率を向上させる具体策については「まだ話せる段階にはない」としながら、「プラサフ、ベースコート、クリヤーの各層において、反射率を改善していく」とのこと。また、「LiDARが車両を検知するのにどれほどの反射率が必要か、またLiDARがどれほど普及するかが分からないため、どうするかを決められないのが実情。LiDARの技術基準が世界的に統一されれば、我々もLiDAR反射塗料を開発しやすくなる」と、現状を説明している。
そのほか、自然を好み環境に関する意識が高い「高意識的(Be Conscious)」グループに属するハイブリッドカーや小型セダンのユーザーをターゲットとして、植物由来で環境に優しくCO2排出量を削減できる、マゼンタ顔料を自動車メーカーに提案中。
合わせて、近赤外線をよく反射する色の日射反射率をさらに高める遮熱塗料を開発。近赤外線を吸収することによる室温上昇を抑え、暑い日のエアコン負荷低減を提案していることも明かしている。
これまで塗装の目的は素材の保護や外観の向上・識別が主となっていたが、今後自動車のボディカラーにおいては安全性向上や環境負荷低減といった機能も求められていく。そんなことを予感させるプレゼンテーションとなった。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
夏の炎天下でも「車内が暑くならない」ボディカラーは何色? 洗車しなくても汚れが目立たない“便利なカラー”とは?
くるまのニュース / 2024年7月24日 11時10分
-
エアブラシ使いこなしのポイントはとにもかくにも塗料の濃度!【達人のプラモ術<エアブラシ編>】
&GP / 2024年7月20日 7時0分
-
屋根外壁塗装に朗報! 東京都の助成金情報ページ公開と遮熱塗料アンケート結果発表!!
PR TIMES / 2024年7月19日 10時45分
-
熱をもちにくい服の色は?表面温度は最大で20℃以上の違い 熱中症対策
ウェザーニュース / 2024年7月18日 12時3分
-
優れたデザインで、BASFの自動車用カラーがレッド・ドット賞を受賞
Digital PR Platform / 2024年7月16日 11時0分
ランキング
-
1「1人で食事が常態化」現役世代の孤食という問題 コミュニティーディナーを始めた会社の意図
東洋経済オンライン / 2024年7月29日 14時0分
-
2「再訪したい国」日本が世界首位 人気地域に人出集中する傾向
共同通信 / 2024年7月29日 16時51分
-
3エンジンを冷やす「冷却水」は“水道水”で代用できる? 漏れ「放置」は絶対NG! 経年車で起こるトラブルとは
くるまのニュース / 2024年7月29日 14時50分
-
4トランプ氏がもし撃たれていたら? AR-15銃の恐怖の殺傷力(シェリーめぐみ)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月29日 9時26分
-
5妻への「別にいいけど」はケンカの火種でしかない 夏休みは「家庭内の不適切発言」を回避する機会
東洋経済オンライン / 2024年7月29日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)