日立金属:アモルファス金属を用いたモーターの高効率化技術を開発
MotorFan / 2018年11月6日 11時45分
日立金属は、モーターの鉄心(コア)にアモルファス金属Metglasを部分的に採用することで、高効率化を実現できるモーター鉄心構造を開発した。さらにこの構造を用いて試作したモーターは、IE5*1クラスの高い効率(97.2%)を得られた。今後、EVの駆動モーターへの適用を視野に入れた研究開発を進め、実証データとともにモーター用材料の新たな適用方法を提案していく。
日立金属は、世界最高クラスの磁力を誇るネオジム磁石NEOMAXをはじめ、耐サージ性エナメル線やモーター用アモルファス磁性材料、モーターハウジングなど、モーターに欠かせない主要部材を手掛けており、自動車、産業、家電向けを中心に国内外の顧客に採用されている。
近年、環境意識の高まりを背景として、自動車関連市場をはじめ、産業インフラ関連市場やエレクトロニクス関連市場などにおいて、モーターの小型・軽量化や高効率化への要求が高まっている。モーターの高効率化の手段として、電磁鋼板に比べて鉄損(コアロス)が1/10以下と低いアモルファス金属を鉄心に用いる方法がある。しかしながら、アモルファス金属は電磁鋼板に比べて、加工難度が高く、複雑な形状に加工するには生産性に課題があった。こうした中、日立金属は、量産実用性が見込める高効率化を実現できるモーター鉄心構造を開発した。
このたび開発したモーター鉄心構造は、鉄心にアモルファス金属Metglasを部分的に採用した構造。具体的には、せん断加工したアモルファス金属Metglasを積層し、鉄心のティースと呼ばれる部分のみに適用することで、比較的容易に低損失な鉄心を製造できると考えられる構造を検討し、それを実証した。
また、アモルファス金属Metglasに加え、超高密度ボンド磁石HIDENSEやエナメル線など、日立金属グループが持つモーター用材料を用いて、モーター(定格11kW、外径φ215㎜×積厚80mm)を試作し、評価した結果、効率ガイドラインの最高水準であるIE5に適合するモーター効率97.2%を得ることが確認できた。
加えて、試作したモーターは、市場で多く流通しているラジアルギャップ型モーター*2であるため、現行の製造技術で生産できる固定子コイル構造を採用することができた。
日立金属は今後、EVの駆動モーターへの適用を視野に入れた研究開発を進め、実証データとともにモーター用材料の新たな適用方法を提案していく。
*1 国際電気標準会議(IEC)のIEC60034-30-2で現在策定議論中のモーターのエネルギー効率ガイドラインで最も高いレベルのもの
*2 回転子の回転軸に対して、径方向にエアギャップ(固定子と回転子の間の隙間)が配置された構造を持つモーターのこと
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
鳥取県とブリヂストンがコラボレーション 鳥取砂丘の月面実証フィールド「ルナテラス」にて新開発「第2世代」月面探査車用タイヤの走行試験を初公開
PR TIMES / 2024年5月31日 18時15分
-
デンソー、小型化と低損失化を実現するPHEV用インバータなどを展示
マイナビニュース / 2024年5月31日 7時0分
-
高性能磁石の開発に役立つ材料データプラットフォームの運用を開始
共同通信PRワイヤー / 2024年5月27日 14時0分
-
ナノ注射器が拓く細胞治療の未来 1,000万個の細胞に複数タンパク質を「高効率」「高生存率」導入
共同通信PRワイヤー / 2024年5月16日 14時0分
-
【IE5レベル高付加価値モータの活用促進を支援】7月開催:ものづくり要素技術と生産技術の展示会〈TECHNO-FRONTIER2024〉
PR TIMES / 2024年5月14日 13時15分
ランキング
-
1ガスト、大人のお子様ランチプレートがおつまみとして素晴らしすぎた<チェーン店ひとり酒>
日刊SPA! / 2024年6月2日 15時52分
-
2テレビの電源を「本体の主電源」で消すと故障の原因になるってホントですか? 【専門家が回答】
オールアバウト / 2024年6月2日 20時35分
-
3「餃子の王将」この2年で4度目の値上げを発表。それでもお客が離れない“2つの理由”
女子SPA! / 2024年6月1日 8時46分
-
4関東撤退から半年 東京に復活した「東京チカラめし」、なぜ新店舗が庁舎内に?
ねとらぼ / 2024年6月2日 12時0分
-
5月19万円の年金で貯蓄3000万円でも「贅沢はできない」67歳男性が語る年金暮らしのリアル
オールアバウト / 2024年6月1日 22時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください