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【古いイタリアンスクーターを買ったきっかけ】オーナーさん達に聞いてみた/ベスパ&ランブレッタRUN

MotorFan / 2018年12月5日 16時50分

【古いイタリアンスクーターを買ったきっかけ】オーナーさん達に聞いてみた/ベスパ&ランブレッタRUN

日程:2018年11月23日/場所:天王洲~汐留/主催:ベスパクラブ東京(http://www.vespaclubtokyo.com/) REPORT●大家伝(OYA Den)

 70年以上も世界中のファンを魅了し続けるベスパだけに、いつの時代にも人気モデルが多く存在する。例えばつい最近まで製造販売されていたベスパのスタンダードモデルであるPXは、初代Pから数えて40年も販売され続けてきたロングセラーにして人気モデルだ。小ぶりなボディに50/100(90)/125という3種類のエンジンバリエーションを揃えたヴィンテージシリーズも、日本では爆発的に売れた。

 ところがベスパに限った話ではないが、古い車両など、人気モデルを中心にどんどん値は上がる傾向にある。現役だった当時に人気があったならなおさらだ。しかし古い人気モデルは、その人気と反比例するように流通するタマ数も激減。そんな状況からレアで手に入れ難いモデルばかりというのが定説にもなっている。
 そこで「ベスパ&ランブレッタRUN」に参加していたレア車&人気モデルのオーナーそれぞれに、手に入れるためにどうしたかと愛車のいいところを聞いてみた。手に入れるまでの道のりや、愛車への愛情が伝われば幸いである。

通称スワンネックと呼ばれるレアモデル

150 VL-1/1954年式


 佐藤年昭さん(ベスパ歴:23年)の愛車は1954年式の150 VL-1で、ヘッドライト回りの雰囲気からスワンネックと呼ばれることもある。簡単に説明すると、それまでフロントフェンダー上に設置されたヘッドライトが特徴的だったものを、いわゆるハンドルマウントに変更し、エンジンも125から150ccへと拡大されたモデル。

 佐藤さんの愛車はそんなスワンネックの1型で、手に入れたのは18年くらい前だという。聞けば「ベスパに乗り始めてすぐのころ、ある人に乗せてもらったのがまさにスワンネックの1型でした。そのときに僕は絶対にこれを買うって決めたんですが、国内にはぜんぜんなくて……。それがあるときフランス人のバイヤーと仲介者を通じてつながることができて、フランスの農家の納屋に当時のオリジナルの状態のものがあるということでようやく手に入れることができました。だからかなり手を尽くしてようやく買えたという感じです」とのこと。欲しいと思ってから4~5年かかったそうだ。

 150 VL-1のいいところは「やっぱりハンドル回りです。運転中に見えるハンドル回りを流れる景色が、とくにこういうところ(汐留イタリア街)を走ると1950年代の……まさにローマの休日のフィルムの中の世界にいるような気がします」と、古いベスパならではの世界観がお気に入りらしい。



3型独特のヘッドライト形状がたまらない

150 VL-3/1956年式


 田中智康さん(ベスパ歴:20年)の愛車は1956年式の150 VL-3で、こちらも通称はスワンネック。ただし佐藤さんの1型とは異なる3型だ。2年ほど自分で探していたときに、埼玉県の某バイク屋で出会った個体だという。「パーツも欠損していて動く状態じゃなかったんですが、日本橋のベスパ専門店で色々と助けてもらって走れるようになったんです。もちろん自分でも随分手をかけました」と、やはり乗り出すまでの苦労は想像に難しくない。

 それにこの個体を国内で初めて走らせたのも田中さんだそう。「そもそもこの個体は、海外から不動で持ってきたんだそうです。だから国内では私がファーストユーザーですね。最初に見つけたときの古さとか、塗装の剥がれ具合とか、そういうところにグッときました。もしも新品のように仕上げてある個体だったとしたら、買うことはなかったと思うんですよ。古いこういう状態のものを探していたので……」と、こだわりも強い。

 お気に入りのポイントは「ヘッドライト回りの丸みです。佐藤さんの1型とは違うフォルムなんですよ。インジケーターも違います。スワンネックを探し始めてからライト回りの丸みの違いやくぼみなど、形状がぜんぜん違っていることに気付きました。それでこの丸みを探そうと思うと、なかなか見つからないんですよ。だから見つけたときは感慨一入、やっぱりこちらの形状がいいなって思いました」と、ご満悦のようす。



世界をアッと言わせたハイスペックマシン

GS150 VS5/1961年式


 新垣清さん(ベスパ歴:10年)の愛車は1961年式のGS150 VS5で、いわゆる5型となる。1型(VS1)がデビューした1955年当時は、150ccのスクーターが100km/hで走れると相当な話題になった高性能スクーターだった。そのスペックを引き継ぎつつ、改良が重ねられた最終型がこのVS5だ。

 じつは新垣さん、当初は「ローマの休日」の劇中車にもなったフェンダーライトと呼ばれるモデルを探していたんだとか。しかしお目当てのフェンダーライトはぜんぜんなくて、誰かのツテでもなければ手に入らないよとみんなに言われていた。「そんなツテなどあるワケもなく困っていたときに、東京の老舗ベスパ屋からGSが入ったと電話があったんです。正直欲しくはなかったんですけど、見てみろと言うので行ってみたらその場でグラッときてしまい即決でした」と、巡り合わせで買うことになってしまったとのこと。フェンダーライトを探し始めたころからだと5年ほどかかった時期で、たまたま受けた連絡だったのに縁があったとしか思えない出会いとなった。

「意外にも、とても安定していて壊れないのがGS150 VS5のいいところですね。もう1台、150スーパーというモデルを持っているんですが、それはあっちこっち壊れたりするんです。このGSは古いけど、ちゃんと整備された個体だけにトラブルフリーで満足度は高いです」と、思いがけず買ってしまった感のあるGSでも現状の満足度はかなり高いようす。



快適性が増した高性能スクーター

160GS MK-1/1963年式


 もんちょさん(ベスパ歴:21年)の愛車は1963年式の160GS MK-1で、GS150の後継機としてデビューしたモデルの1型だ。GS150のハイスペックさはほぼそのままに、排気量アップによる余裕によってGT色を強めていたことが特徴だ。

 もんちょさんの場合、160GSを手に入れるための苦労話はないという。「大学入学で東京に来て、アシとしてバイクが必要という感じでバイク雑誌を買いました。その雑誌を開いてみたところがたまたま東京の老舗ベスパ屋で、行ってみたらベスパがたくさん。その中でお尻の丸いヤツがいいとなり、150と160の2種類のGSを出され『走るのは160だから』と言われ、勧められるがままに160GSを買いました」ということだ。

 ちなみに20年以上も前のことながら160ccのスクーターに120万円の売値がつけられていたというので、当時から人気モデルだったことがうかがえる。そしてもんちょさんはそれを5年ローンで購入したというので、学生だったころの支払いという苦労は味わっていたのかも。
いいところについては「古いわりに意外と速くて、90~100km/hくらいは出てるみたいです。それとお尻の丸みも。あと本来MK-1にはないフロントのボックスが便利でお気に入りです」とのこと。なんでも購入時にボックスなしと2種類の160GSがあり、付いてる方がお得だからという理由で決めたんだとか。



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