REVSPPED流【走れる中古ベース車探し2019春インポートカー編】フィアット、アバルト、アルファ、BMW、プジョー、VW、ルノー、ロータス、ポルシェ
MotorFan / 2019年3月29日 17時0分
さあ、春到来! 新たにクルマを購入することで、スポーツドライビングを楽しみたいというフレッシュマンが増える時期。また、ビギナーから卒業し、クルマを乗り換えて、新鮮な気持ちでスタートを切りたいというステップアップ組が増えるのも春ならでは。そこで、ここではレブスピード流にドラテクの上達やチューニングを楽しみやすいクルマという観点から、オススメの車種を紹介していく。 第1回目は、最近、走る人が増えてベース車に選ぶ人が増えているインポートカーからピックアップ。有力ショップがアドバイザーとして、その車種の相場観や選ぶべき年式やグレード、その車種ならではの楽しみ方を指南する。 TEXT●蔵田智洋
【フィアット、アバルト、アルファロメオ】現代のイタリア車は問題なくサーキットを楽しめる
「アバルト500(135ps) の相場は100 万円からで、下がってこないですね。595(160ps)は200 万円くらい。595 標準のKONI とシートなどにこだわりがなければ、500 をロムチューンして160ps とし、車高調サスを入れるのがオススメです。ただし、後期型の595 はタービンが大きくなっていてパワーも180ps となっています。
124 スパイダーは3 年落ちでも200 〜 300 万円と高値ですが、車高調サスとタイヤだけでロードスターより楽しいし速い。
アルファ147、156 は激安で20 〜 40 万円ですが内外装も傷みが目立ち、さすがに旧くなりました。
それよりサーキット走行でのイチオシはMiTo です。まだ新しくて見栄えもよい。オススメは6速MT でブレンボ付きの1.4 スポーツで、相場は50 万円弱。これを買ってきてロムチューンすればかなり速くなります。ブレーキはパッドとフルードだけ交換。500と比べるとMiToはトレッド、ホイールベースが長いので挙動もピーキーではなく、つくりがしっかりしていて乗り心地もいいし、本当に壊れない。最近ではアルファチャレンジでも「MiTo クラス」ができて10 数台で盛り上がっています。
いまは国産車で、こういう少し遅くて楽しめるクルマがないじゃないですか。それでも筑波サーキットを1分9 秒で走れるし、ATS の1.5wayL.S.D. を入れると1分8 秒台も狙えるポテンシャルがあるんです。タイミングベルト関係は5 万kmごとに交換ですが、あとはオイル交換だけしていれば大丈夫です」
【BMW】お手軽なベース車はE90/92。100万円で買える
「BMWのオススメは320iのE92(クーペ)/E90(セダン)の6MTです。約100万円からあって、前期、後期どちらも問題ありません。トラコンはノーマル状態で完全OFF にできます。これならシートや足などサーキット仕様に仕上げても、トータル200 万円以下に収まります」
「唯一、後期直噴N43 型エンジン車は、オイルパンをバッフル加工したり、キャッチタンクをつけるなどの油圧低下防止の対策をしないとエンジンブローの危険性があります。ブレーキパッド、ローター、フルードを交換し、サブメーターを付けて温度管理さえすれば、基本的にノーマルのままサーキット走行可能ですね。ボディ剛性や足まわりはM3 も設定できるほどなので、320i では余裕です。さらに3.9 の純正ファイナルをAT 用の4.1か他車流用の4.44 に変更すれば加速性能もアップし、OS 技研1.5wayL.S.D. を装着するとより楽しくなります。車高調はオリジナル品のスピリットベース(F20kg/mm、 R28kg/mm)と 太めのリアスタビで旋回性を上げ、乗り心地を両立したものを用意していますので、よりFR らしい走りを満喫できます。
ちなみに318is やZ3 といったモデルは、初めてサーキットを走る人にはオススメの車両ですが、すでに良い物件が少なく、年式も旧くなってきたことから、純正部品が供給されなくなっているなど、消耗品やメンテナンスにお金と時間が掛かります。2 台目としてはOKですが、1台のみならメンテナンスで預ける時間が長くなるのでオススメできません。Mシリーズは魅力的ですが、M2 は600 万円、M3、M4 は約700 万円が相場と高価です」
【プジョー】走りが楽しいモデルは205GTIを思わせる208GTiがオススメ
「プジョーは208GTi が出てまた新しいブームが起きています。ミッションはH パターンの6MT だし、エンジンは普通に乗っていても楽しい。ノーマルサスの素性がよくしっかりしているので、ブレーキパッドとフルード、タイヤをスポーツ系に交換するだけでサーキットを走れる。ESP を使ってもそこそこ走れて、上手くなってきたら完全にOFF にできるのもいい。荷物も積めるのもよいところです。
オススメは現行モデルの後期型208GTi で、相場は170 〜 180 万円(2016 年〜)ですが、2013 年から15 年となる前期型(130 〜 140 万円) も、ライト形状などを気にしなければ、200ps のエンジンは同じです。プジョースポールでチューンした仕様はL.S.D. 付きで380 万円でしたが、中古車相場は300万円程度です。もちろん社外の1.5wayL.S.D.などを入れれば速く走れますが、装着率は低いです。チューニングするならビルシュタイン製車高調がそれほど硬くなく、街乗りもこなせるのでオススメです。さらにタイム狙いの方には、オリジナル品も用意していて、筑波サーキットは1 分10 秒くらいで走れます。
メンテナンスをして元気に走っていてトラブルはほとんどないですが、直噴なので燃料ポンプがダメになることはごく稀に起こる場合があります」
【VW/ゴルフ】GTIかゴルフRか? それぞれにいいところがあるので予算で選ぶ
「ゴルフはエンジン、足まわりがよく、パドルシフトを使ってのスポーツ走行も楽しいクルマです。実用性も高く、1 台ですべてこなせます。ゴルフⅦの相場はGTI で200 万円前後、4WD となるゴルフR で300 〜 400 万円前後となります。
共通する問題はESC(横滑り防止装置)で、滑り出しを検知するとブレーキを使ってトラクションを確保します。その引きずりを解消するためには、コンピュータのコーディング変更(約4000 円)の必要があります。ESC の効きを問題ない範囲に収められば、あとはブレーキパッド、フルード交換、エンジンオイルとプラグを見て、DSG にもスポーツ系オイルを入れれば問題なく走れます。
うちのデモカーのゴルフⅦ R はこれだけで2 万km、15 回サーキット走行していますがまったく壊れていません。チューニングするなら足まわりをビルシュタイン、あるいはデモカーにも装着しているザックス(コックススペシャルでF13kg/mm、R11kg/mm)にしたり、純正の19 φスタビ(中空)を24 φ(中実)に強化すると、曲がりやすくなります。これでもダンパーの減衰力を緩めれば、街乗りでの乗り心地は問題ない仕様です」
【MINI】ひとつ前のR56型MC後JCWがベスト
「MINI は可愛いスタイルとサーキットでの速さ、品数、色も豊富でパーツもたくさんあって、ユーザーの個性が出しやすいというのが魅力ですね。
R56 のターボモデル、とくにJCW(ジョン・クーパー・ワークス)は、4 ポットキャリパーや抜けのよいマフラーが標準なのでオススメです。中古車の相場は200〜300万円(2007〜2012年)。2012年生産のN18型エンジン搭載モデルがよいです。同じくR56クーパーS の相場は100 万円〜 200 万円(2007 年8 月から2012 年)ですが、こちらにはN18 型エンジンが2010 年以降から搭載されています。
前期は直噴用のハイプレッシャーポンプ(約19 万円)が壊れ、交換になることがあるのですが、後期N18 型はBOSCH 製ポンプで解消されました。オイル消費がないか、購入時には下まわりやアイドリングで白煙をチェックしてください。直噴のため、インジェクターの汚れを洗浄したり、プラグ、エアクリーナ交換、オイル交換はもちろん、消費量を見たり、メンテナンスをしっかりしてくれるMINI 専門店とのつき合いが必要だと思います。
JCW ならチューニングは基本的に不要。純正パッドでフルノーマルでもサーキットを走れます」
【ルノー】ルーテシアR.S.はサーキット走行のために生まれたクルマだ
「ルーテシアR.S. はサーキットで走るクルマとして開発されていて、水温や油温など循環管理が行き届いているのが魅力です。ディーラーが主催するサーキットイベントも盛んに行われています。
いまが新車で購入できる最後のチャンスなのですが、中古車なら100万円〜 200 万円(2013 〜 2015 年式)。歴代ルノーは絶版から価格が上昇する傾向なので、いまが底値でしょう。
ESP は3 段階調整でスポーツでは少しテールを流せるし、完全OFF にもできます。サーキット走行前提で開発されたゲドラグ製デュアルクラッチ(EDC)はパドルシフトなので速いし、シフトミスがなく、エンジンブローもない。現在200 台ほどいらっしゃるお客様は、いまのところ皆さんノントラブルでクラッチ交換した車両もないほど。12 万km 以上走っている方もいますが、耐久性は抜群です。
足まわりやブレーキパッドもサーキット対応タイプなのでブレーキフルード交換のみで、筑波サーキットを1 分8 秒台くらいで走れます。メンテナンスはオイル交換と消耗品くらい問題なし。家族と街乗りでも使えて本当に楽しいオススメのクルマです」
【ロータス エリーゼ/エキシージ】いろんなタイプがあるが、トヨタ製2ZZエンジン搭載車がベスト
「エリーゼの相場は300 〜 400 万円(2004 〜 2011 年式)、エキシージは500 〜 700 万円(2004〜 2012 年)の、トヨタ2ZZ エンジンNA モデルが速いし、軽いし、オススメです。
MR で軽量なため、足やブレーキなどにも余裕があり、レーシングカーに近いつくりでノーマルでもサーキットを走れるのが魅力です。エキシージは、現行モデルではV6 エンジンとなってしまったので、前モデルの価格が上昇中で今後も下がらないと思います。200 万円台でローバーエンジン車もありますが、これはもう部品が出ないのでトヨタ、それも2ZZ モデル以降がよいですね。
本格的に走るにはオイルの偏り防止に1ZZ用バッフル入りオイルパンを加工取付するのがオススメで、この作業はエンジンを降ろさずにできます。
弱点としてはインテーク側のカムシャフトが減る傾向があり、遅い場合はチェックして交換とWPC対策をします。チューニングは吸排気系が多いですが、戸田レーシングのキットで排気量を上げてトルクを出すのが最も効果的なメニューです。車高調キットは街乗り対応仕様で十分楽しめます」
【ポルシェ ボクスター/ケイマン】200~300万円のポルシェってどうなのか心配?だが、986/987型ボクスターやケイマンは経年劣化のみなので狙い目
「ケイマン/ボクスターは入門ポルシェですが、前後バランスに優れ、ニュートラルで乗りやすく、速いのでタイムが出るクルマです。しかも前後にラゲッジがあり、実用性も高くなります。
最新モデルはターボとなって、前モデルのNA 人気が再熱中のため、5 年落ちくらいの981 型は600 〜 800 万円と高値安定ですね。そういった中、986 型、987 型の前期は相場が200 〜 300万円。オイル交換やブレーキなど、メンテナンスをきちんとすればサーキット走行もノントラブルで走れて、10 年以上経っても100 万円を切らないブランド力も魅力です。
走行5 万㎞以上では、ウォーターポンプからの冷却水漏れ、ATF オイル漏れ対策やイグニッションコイル、エアマス、O2 センサーなど交換が必要となる場合もありますが、他車に比較して特別に弱いわけではありません。ブレーキホース、パッド、フルードは適したものに交換し、キャリパーが開いてフィーリングが悪化している場合は対策をします。足はリフレッシュを兼ねて車高調にアップグレードしたり、最近ではエンジンはコンピュータチューニングで約20ps アップのメニューが人気があります」
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