全長90mの風洞! 川崎重工、航空機研究開発用の新低速風洞を竣工
MotorFan / 2019年3月29日 14時50分
川崎重工は、岐阜工場に航空機研究開発用の新低速風洞を建設し、3月28日竣工した。
風洞とは、ご存知のとおり、人工的に作り出した気流の中に縮尺模型を入れ、模型にかかる空気力などを計測する研究開発設備だ。航空機の研究開発には、低速飛行時や離着陸時の性能を評価する低速風洞と、高速飛行時の性能を評価する高速風洞が用いられる。既存の低速風洞は、川崎重工が開発した三式戦闘機「飛燕」、BK117ヘリコプター、T-4中等練習機、P-1固定翼哨戒機、C-2輸送機などのすべての機体開発に使用してきた。
今回竣工した新低速風洞は、既存の低速風洞の老朽化による更新として、実績を多数有する風洞メーカーでもある川崎重工が自ら設計・製作・建設を行なった。全長90m×幅50m、測定部は幅3m×高さ3mの大きさがあり、既存設備(全長50m×幅25m、測定部幅2.5m×高さ2.5m)に比べて大きな縮尺模型を使用できることに加え、最大風速は秒速100mで、既存設備(秒速65m)よりも実際の航空機の離着陸速度に近い風速を実現しているため、より精度の高い試験が可能だ。
また、空港周辺エリアのより一層の騒音低減が求められている近年だが、新低速風洞は、送風機など風洞自体から発生する音を低減したことで縮尺模型から発生する風切音を計測可能となった。これにより、川崎重工は低騒音機能を持つ大型風洞を所有する国内唯一の航空機メーカーとして、航空機の機体各部やヘリコプターのローターなどから発生する空力騒音の低減にも寄与できるようになるという。
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