金属とコンポジット材の接合が確実にする、ライスターのレーザー溶着技術
MotorFan / 2019年6月29日 19時50分
クルマのボディは鋼板で出来ている。材料置換により樹脂やアルミ合金が使われるようになってきたが、それは同時に異素材の接合という問題を生じさせている。その解決策のひとつを人とくるまのテクノロジー展で見つけた。 TEXT&PHOTO:高根 英幸(Hideyuki TAKANE)
摩擦熱を利用した摩擦かく拌接合(Friction Stir Welding )技術は一般的だが、スチールとアルミ合金の異なる金属同士の接合では、充分な接合強度を確保するのが難しく、いまもまだ確実に接合する手段が模索されている(もちろん、電位差による電食にも注意も必要だが)。そのなかで、ボルトナットやリベットによる締結以外では、接着剤を用いるのが一般的。それが金属と樹脂の接合となれば、なおのことだ。
接着剤は接合面積が広いことから、ボルトナットよりも締結強度を得られるが、接着剤を塗布して接合し、硬化時間を要するなど生産性に課題がある。
スイスに本社を置く、ライスター・テクノロジーズ社のレーザー溶着技術「LEISTER」は、コンポジット材のマトリクスである樹脂にレーザーを当てることで溶かし、金属と溶着させるというもの。すでに欧州では実証実験を行ない、ルーフのクロスメンバーをGFRPで製作し、サイドメンバーとのボルト締結のためにブラケットをレーザー溶着させることにより、従来比30%もの軽量化を実現できたそうだ。
本来は半透明な樹脂の表面からレーザーを当て、裏側に当てた金属板と溶着させるのだが、実験では黒色の樹脂を用いたため金属板表面にレーザーを当て、金属板の発熱により樹脂を溶かし溶着させていた。
この技術が導入されれば、GFRPなどのコンポジット材を車体の骨格に使うことが容易になる。クルマの軽量化、低重心化がいっそう進められることになりそうだ。
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