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エンタープライズIT新潮流 第25回 マイクロソフトで学んだ「イケている製品」の作り方

マイナビニュース / 2024年4月22日 9時0分

ポジショニングフレームワークの作り方を少し詳しく見ていきましょう。

まずは、起点となくターゲットです。いわゆるペルソナです。どのような顧客が買ってくれるか、または意思決定に参加するかで、性別、年齢、居住地域、収入、職業、学歴など、その人が持つ人口統計学的属性のデモグラフィックと、購買者の習慣、趣味、嗜好、価値観などのサイコグラフィックなどを決めていきます。

一般的なのは、ペルソナを作りターゲットを擬人化して、どのような行動をするかまで想定する方法です。例えば、「年齢は40代の男性で結婚しており、朝は必ず日経新聞を読み、新しいことが好き。ワークワイフバランスを大事にして夜は家族と過ごす」などです。

そして、差別化のために、競合製品やサービスを特定して分析をしておきます。この差別化がなければ、ブランド力なくコモディティの安売り商品になります。筆者は日本の企業を支援していますが、ここが抜けている場合が多いです。

さらに、ターゲットが製品・サービスを使うシナリオを考えていきます。例えば、「製品が持つダッシュボードの機能を使って在庫の予測分析を行い、在庫量を最適化する」などです。

その後、シナリオごとに、競合はどこで、どの点で差別化できるかを記載していきます。それを使うリスクや費用があれば明記します。差別化ポイントをどう証明するかも記載します。この証明で代表的なのは、事例の紹介や、インフルエンサーの声、調査会社による市場調査の結果です。これを、想定する全てのシナリオで行います。

全体ができたら、それを包括するメッセージを作ります。1行、3行、5行で表現できる文章をそれぞれ作り上げるのです。1行はヘッドラインで、3行が簡単な説明部、5行は30秒で読める程度の説明文です。これらの分は新製品を出したときにプレスリリースやWebサイトに引用されます。ですから、インパクトのあるものを作る必要があります。

ここで筆者がやるのは、製品・サービス名をマスクして文書を読んだときに、その製品やサービスが想起できるかで出来映えを確認します。皆様も自社の会社のブランドメッセージでぜひテストしてみてください。

以前、筆者は別の連載で同じようなことを記載して、その連載元のメディア企業のメッセージを評価しようとしたことがあります。そうしたら、当時の編集長に担当記者が筆者の代わりにこっぴどく怒られたという思い出があります。そうです、メッセージが今ひとつだったのです。それは、親切心だったのですが......。

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