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カレー沢薫の時流漂流 第296回 母は言った、ゲームは1日1時間、ビールは1日1缶までよと

マイナビニュース / 2024年4月22日 14時50分

確かに、度数が高いため、あっという間に酔うことができた。

私のようにジュースみたいな酒しか飲めない、味覚キッズでも飲めてしまうのがストロング系チューハイの恐ろしいところなのである。

その感覚が楽しくて、しばらく朝からストロング系チューハイを飲みながら原稿を描く、文豪スタイルを楽しんだのだが、何せ元々アルコールに強い体質ではない。

結局、酩酊の快より、すぐに頭痛腹痛などの不快の方が上回り、このままでは死ぬと判断して、ストロング系チューハイを飲むのはやめ、その後酒類はほとんど飲まなくなった。

アルコール依存症の人は「これ以上飲んだら死ぬ」という「底つき」を体験してはじめて回復に向かうというが、私は底が「スト〇ロング缶3本」と浅かったため、命拾いしたと言える。

改めて私の酒歴を顧みると、一度たりとも「酒がおいしい」と思って飲んでいないことがわかる。

実際私は酒の味が好きではないし、ファソタグレープを「神の雫」と呼んでいる。

私が酒を飲むのは常に「違う自分になりたい」「現実から目を背けたい」時であり、おそらくアルコール依存症になる人の一定数はこの動機からなっているのではないかと思う。

同じ動機でも、もう少しチャレンジ精神のある人なら違法薬物などに行ってしまうのだろうが、私のように「もうどうにでもなれ!」と髪を振り乱しながらも「違法はちょっと」と、急に手櫛で毛をかき上げだすタイプも多いと思う。

おそらくそういうタイプは酒に行きがちである。
○厚生労働省が真顔になる。国民も目が据わる

酒は合法だが、逆にそのせいで依存しやすく回復が遅れがちとも言える。

実際、日本の「酒が安価でどこでも買える」という状況は、海外から見ると異常であり、屋外で昼間から飲酒していても誰も気にしていない日本の風景が「信じられない」と話題になることもある。

おそらく海外からすれば、全裸で外に出てしまっている上に周囲がそれを全く気にしていないという異常事態に見えるのだろう。

つまり、日本は実質ヌーディストビーチと言える。青い鳥は意外と近くにいたのだ。

辛い現実、簡単に入手できる状況、そしてストロング系飲料の台頭など、様々な条件がそろい、日本の酒害は思ったより深刻化しているようだ。

そしてついに、厚生省が「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を発表するに至った。

ガイドラインによると、1日の純アルコール量の目安は男性で40グラム、女性で20グラムだという。

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