サントリーの「-196」って、どうやって作るの? 研究施設にて開発の裏側ものぞいてきた
マイナビニュース / 2024年4月24日 18時3分
続いてサントリー RTD部長の高橋直子氏が、無糖チューハイの「-196」ブランドについて説明した。同シリーズは2005年5月に誕生し、時代の変化に合わせてリニューアルを繰り返してきたが、果実を丸ごと-196度で瞬間凍結し、パウダー状に粉砕して原酒に浸漬するサントリー独自の"-196℃製法"を守り続けている。
無糖チューハイとしてロングセラーを続ける「-196」だが、昨今、味わいについては様々なニーズも出てきたと高橋氏。「無糖は好きだけど味気ないものも多い、もっと果実味が欲しい、といった声も聞かれるようになりました。そこで2024年3月のリブランディングでは、中味、パッケージを刷新しました」と紹介。なお商品名は、摂氏を示す記号をなくして「-196」とした。
リブランディング後の消費者の反応としては「無糖でこの果実感は最高」「すっきり楽しめるので食事中に飲むチューハイとしてぴったり」といった声を紹介。また今後、限定商品として「-196無糖〈ダブルアップル〉」(5月7日発売)、「-196無糖〈白ぶどうダブル〉」(6月11日発売)、「-196無糖〈パイナップル〉」(7月9日発売)なども投入していく方針で、「さらなる市場拡大に向けて新たな提案を続けていきます」とまとめた。
このあとサントリー スピリッツ・ワイン商品開発研究部長の塚本環氏が、同社の開発体制を説明。今回、メディアを招待した商品開発センターについては「新鮮、驚き、感動の創造劇場というコンセプトで設計された施設です」とする。
ここで「-196」の開発秘話についても紹介。塚本氏は「もともと居酒屋で、自分の手でレモンを絞った生搾りチューハイはなぜこんなにも美味しいのか、というところから議論が始まりました。手についたレモンのフレッシュな香りが、味にも影響しているからではないか――。そんなヒントが、のちにサントリー独自の"-196℃製法"の開発につながります」と明かす。
そこで最後に"-196℃製法"のデモンストレーションが行われた。そもそも「-196」とは、液体窒素の沸点(-196度)にちなんだネーミング。デモでは、はじめに細長い容器の中に液体窒素を充填する。このとき空気中の水蒸気が冷やされて白い煙となった。次に、液体窒素の中にレモンを挿入。すると、ほぼ瞬時にレモンは凍結された。「-196」では、このようにして凍結したレモンを粉砕して使用している。
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