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大阪公大、腋臭症(わきが)の原因菌を解析し菌を退治する手法も開発

マイナビニュース / 2024年4月25日 21時50分

・3-ヒドロキシ-3-メチルヘキサン酸(HMHA)-グルタミン→HMHA(揮発性脂肪酸)

・(S)-[1-(2-ヒドロキシルエチル)-1-メチルブチル]-L-システイニルグリシン(Cys-Gly-3M3SH)→3-メチル-3-スルファニルヘキサン-1-オール(3M3SH、チオアルコール)

そこで研究チームは今回、C型腋臭の発生メカニズムを解明する上で、腋窩の皮膚常在菌と悪臭に関与する代謝物の相関を検討することにしたという。

今回の研究では、健康な成人男性20人が被験者として参加(臭気判定士によりC型の11名(C群)、M型の9名(M群)に分類)。腋窩サンプルの網羅的な解析が行われた結果、C群で悪臭の原因となる代謝物の前駆物質が有意に増加していることが確認されたという。

次に腋窩サンプルのメタゲノム解析が実施された。すると、ブドウ球菌科の細菌「Staphylococcus」(スタフィロコッカス)がC群で有意に増加していることが判明。さらに、メタゲノムデータを用いて腋窩の悪臭の原因となる主要な代謝物(3M2H、HMHA、3M3SH)の代謝に関わる遺伝子が調べられた。その結果、3M2HおよびHMHAの代謝に関わる遺伝子「agaA」は、C群とM群で共に「コリネバクテリア属」の細菌が有していることが明らかにされた。

一方、3M3SHの前駆物質であるCys-Gly-3M3SHの取り込みに関わる遺伝子「dtpT」および、その代謝に関わる遺伝子「patB」についての検討では、M群と比較してC群でより常在性ブドウ球菌の「Staphylococcus hominis」(S.hominis)が関与していることが突き止められた。

研究チームはこの結果から、C群で増加している3M3SHの生成を抑制するために、S.hominisを特異的に減少させることが重要ではないかと考察。しかし、抗菌薬では同菌以外の皮膚常在菌も殺傷してしまうため、有用ではなかった。そこで、メタゲノムデータを用いて同菌に対する溶菌酵素の探索が行われ、合計で3つの溶菌酵素配列が同定された。そして、そのうちの1つを人工合成に成功したという。S.hominisを含む5種類の皮膚常在菌に対し、同酵素が投与されたところ、同菌のみが溶菌されることが確認された。

今回の研究成果は、腋臭症に対する新たな治療技術としての貢献が強く期待されるとしている。
(波留久泉)



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