順天堂大、花粉症などのアレルギー性鼻炎を抑制できる生体成分を発見
マイナビニュース / 2024年4月26日 13時4分
これまでの知見から、マスト細胞の周囲に存在するセラミドがCD300fに結合することで、脱顆粒を抑制していることが推測されたことから、セラミドリポソームを投与してCD300fの抑制機能を強めれば、アレルギー性鼻炎を強く抑制できる可能性があると考察。その際、生体内に存在し、かつCD300fの抑制作用を強める働きが確認されているセラミドとして「d18:1/24:0」が選ばれ、超臨界CO2法を利用して安定したセラミドリポソームが作製された。
続いて、上述のアレルギー性鼻炎モデルにブタクサ花粉を鼻腔投与する前に、セラミドリポソームの点鼻が行われると、野生型マウスのくしゃみ頻度が著減し、局所のマスト細胞の脱顆粒と好酸球数浸潤が抑制されることが判明。これまでの結果を総合すると、セラミドリポソームの点鼻は局所のマスト細胞のCD300fに結合するセラミドを増加させ、CD300fの抑制作用を強化して脱顆粒を低減させるため、アレルギー性鼻炎が抑制されていることが考えられるとした。
今回の技術を臨床応用するためには、生体内に存在するセラミド種の中からCD300fの抑制作用を高める種類を決定し、超臨界二酸化炭素法を利用して安定したセラミド単独のリポソームを大量に作製する必要があるという。なお、生体内に存在するセラミドのリポソームの点鼻なので、安全で有効な分子標的療法となる可能性があるとした。
また、セラミドリポソーム自体が治療薬となることで、既存の治療薬とは作用機序が異なることから、併用療法も有効となる可能性が高いという。さらに、既存薬をセラミドリポソーム内に包埋できる可能性もあるとした。今回の治療法の改良により、安全で有効なアレルギー性鼻炎の治療法が開発されることで、QOLの低下に苦しむアレルギー性鼻炎患者の救済が期待されるとしている。
(波留久泉)
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