1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

東奔西走キャッシュレス 第50回 外国人には不便?タイのキャッシュレス事情

マイナビニュース / 2024年5月2日 12時57分

PromptPayは、タイの中央銀行を中心に銀行業界が構築した決済システム。もともとは2016年に社会福祉の分配という名目でスタートしたようで、日本で言えば給付金などの受け取りのためのシステムということでしょうか。日本では公金受取口座として銀行口座を指定しますが、これを決済システムに組み込んだのがPromptPayのようです。

2017年には送金機能/税金還付/eウォレット/QRコード決済、というように機能が拡張されていきました。2018年には国をまたいだ決済にも対応。順次、国をまたいだ(相手国のQRコード決済とPromptPayの相互の)送金にも対応していくようです。

最新の情報ではPromptPay IDの登録数は7,760万に到達。タイの人口は2022年で6,609万人ということなので、人口を超えています。これは、複数のアカウントを保有できるためのようでした。

トランザクションは1日6,270万件で、総額47.5兆バーツがやりとりされているといいます。QRコード決済が利用できる場所は900万カ所を越えているそうです。

PromptPayでは、銀行口座を紐付けて支払いを行います。基本的にはデビットカードと同じで、QRコード決済では口座からの即時引き落としになります。つまり、利用は銀行口座の保有が前提となるわけです。実際、タイでは国民の9割以上が口座を保有しているそうで、この保有率の高さがPromptPayの背景となりました。

その代わり、デビットカードの普及が進まなかったことも特徴的です。日本でも口座保有率の割にデビットカードが普及しませんでしたが、国際ブランドの取り組みが遅れたこととが原因でしょうか。

結果として、PromptPayはタイ国内で900万カ所という利用可能スポットを獲得。日本では2023年10月の段階で「『PayPay』や『PayPayカード』で買い物ができるお店やスポットが1,000万カ所以上」(PayPayのプレスリリースより)ということなので、少なくともPayPayが使える程度にはPromptPayが使えることになります。

そう考えると、街中でキャッシュレス決済が使えないように見えたのは単に店先にQRコードを掲示していなかっただけで、指定すればQRコードが出てきた可能性があるようです。現金で支払う人も多い印象でしたが、それがタイ在住の人でなかった可能性もあります。現地の人もほとんどのタイ国民はPromptPayを使っているという話でした。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください