1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

日本でも普及する"低用量ピル"そのワケとは - 少子化が加速する、性感染症が増えるってホントなの?

マイナビニュース / 2024年6月3日 18時30分

「1つが、儒教的な思想に縛られていることですね。女性は貞操を守らなければいけない、一方で男性は跡継ぎを作らなければいけない。言い方は悪くなりますが、低用量ピルを使うとなると、何人とでも性行為ができるようになる。それは儒教的な考えからすると"貞操を守らない"ということになる。だからダメっていう考え方があったことは否めません」

続いて、2つ目の問題点として「国の政策」を挙げた。

「海外でいけたから、そのまま日本にスライドさせて大丈夫なのかという問題がありました。人種が違う、体重差があるなど、データ的に(日本人とは)違ったもの。それで万が一(日本で)問題が起きた場合、責任問題となってしまいます。その責任を取りたくないという、一部の考え方があったからだと思います」と、承認が遅れた理由を説明。

併せて、当時は低用量ピルのニーズが少なかったという時代的背景もひとつの要因になった、と付け加えた。

では近年、日本ではどの程度、低用量ピルが普及しているのか。「ピルファクトブック」にて紹介されているデータによると、国内の生殖女性人口(15~49歳)における服用率は年々上昇傾向にある。

2018年以降の市場データによると、低用量/超低用量ピルの推定服用率(出荷量を対象人口で除して服用率を推測)は、2018年が3.2%、2022年には6.1%と、5年に満たない期間で推定服用率は約2倍に増加。

服用率上昇データからも石井氏は「2018年(ネクイノ)にサービスを始めた時は"ピル後進国"と言い方をしていたんですが、すでに6パーセント、7パーセント近い服用率が出てきているので"脱ピル後進国"と言ってもいいのではないでしょうか」と提言した。
なぜここまで広まった?

ではここまで広まった理由とは?

ファクトブックによると、2004年~2023年の約20年間で低用量ピルや月経などに関するワードがメディアで取り上げられる機会は約10倍に増加。低用量ピルの避妊効果や、月経に伴う不快症状(PMSや月経痛など)の改善効果が期待できることがより広く認知され、低用量ピルの需要が高まったといえるだろう。

また、2015年より実質、オンライン診察の規制緩和が行われたことも普及要因のひとつ。この規制緩和はコロナ禍の2020年に大きな転換期を迎え、初診からオンライン診察が実施できるように。これによって必要とする人々が低用量ピルへよりアクセスがしやすくなったという。
ピル普及による懸念点とは? 少子化になるの?

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください