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日本でも普及する"低用量ピル"そのワケとは - 少子化が加速する、性感染症が増えるってホントなの?

マイナビニュース / 2024年6月3日 18時30分

厚生労働省の人口動態統計によると、2016年に日本の出生数は100万人を割り、2022年には77万人と少子化は加速の一途をたどっている。

社会問題として取り沙汰されている少子化だが、ピル承認時には「ピルを認めれば人口増加政策に反するのでは」と言った意見が挙がったという。

だが、国立社会保障・人口問題研究所が発表した出生動向基本調査(2015年)によれば避妊実行中の夫婦のうちピルを用いている割合はわずか2.3%。2015年の合計特殊出生率は1.45であり、日本においては低用量ピルが普及することなく超少子化になったことを指し示している。

また、勉強会の中では諸外国のデータにも触れた。

「ピルが普及している国が、ピルの普及率が伸びていくことによって少子化がどうなったのか。基本的には、ピルの服用率が変わっても合計特殊出生率にほとんど影響を与えてないことがわかります(ピルファクトブックより)。なので、ピルを飲んで少子化というよりは、社会要素の方が圧倒的に大きいので単純にピルの普及率と少子化の議論にはしない方がいい」と石井氏は指摘した。

そのほか、近年増加傾向にある梅毒などの「性感染症(性行為およびそれに類する行為で移る感染症)」との関係性も語られた。

西條氏は、性感染症を防ぐにはコンドームの使用が重要だと説明した上で、避妊効果のある低用量ピル服用によって、性感染症を防ぐコンドームをつけなくなることが懸念点として考えられるとした。

さらに、子宮頸がんの原因のひとつと言われる「HPV(ヒトパピローマウイルス)」への感染リスクも上がるため、子宮頸がんになりやすくなるといったリスクも西條氏は指摘。

これらのリスクに対し、石井氏は「クローズドな関係であれば、コンドームが選択肢のひとつでいいわけですが、オープン(不特定多数)な関係性の中に行く場合は、しっかりセーフセックス(性感染症などに感染するリスクを減少させながら行う性行為)を考えなければいけない」と付け加えた。

効能だけでなくリスクを理解した上で、私たちはどうするか選択をしていく必要がある。

"脱ピル後進国"と言われる日本。だが、普及とともにユーザー側も正しい知識を身に着けていかなければならないであろう。

※いずれのデータも「ピルファクトブック2024」より

矢吹結花 やぶきゆか 編集者・ライター。旅とお酒とスポーツが大好き。ライフスタイルやヘルスケア系の記事を担当しています。 この著者の記事一覧はこちら
(矢吹結花)



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