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バイプレイヤーの泉 第132回 『アンメット』若葉竜也、感情と表情ゼロで演じる三瓶先生が良すぎた

マイナビニュース / 2024年5月30日 6時0分

画像提供:マイナビニュース

幼少期から熱血ドラマオタクというエッセイスト、編集者の小林久乃が、テレビドラマでキラッと光る"脇役=バイプレイヤー"にフィーチャーしていく連載『バイプレイヤーの泉』。

第132回は俳優の若葉竜也さんについて。現在出演中の『アンメット ある脳外科医の日記(以下、アンメット略)』(関西テレビ、フジテレビ系)での演技が評判、巷では「若葉竜也がついに世間にバレた」という声がちらほら。知る人ぞ知る存在だった、若葉さんについて私も追い討ちをかけるように突いてみたいと思います。
○『アンメット』の刺客だったのかもしれない

まずはこちらも巷で話題沸騰中『アンメット』のあらすじについて。

事故による記憶障害で今日のことも明日には忘れてしまう、丘陵セントラル病院・脳外科医の川内ミヤビ(杉咲花)。彼女の婚約者だったという、同じく脳外科医の三瓶友治(若葉)が赴任してきてからミヤビの病状についても調べ始め、主治医である大迫紘一(井浦新)の診療に疑念を持ち、薬の処方がおかしいことに行き着く。三瓶の指示のもと、ミヤビの記憶は錯誤を繰り返しながら少しずつ快方に近づいていく

記憶喪失ドラマが乱立する春ドラマで、他作品とは一線を画す『アンメット』。映像の独特な質感や、出演者のあくまで自然体を汲み取ったかのような演技が視聴者の心を毎週揺さぶっている。私も常に揺さぶられている。

例えば主演の杉咲花のそばかすが見えるナチュラルなメイク。それから第2話でサッカーができなくなるかもしれない患者と、1対1で練習をするシーン。泥をかぶる一幕もあったが、泥の自然な渇き方を見ていると時間をかけて1シーンを撮影したということが伝わる。

その他にも役にはまり込みすぎて、野呂佳代の名前がどこかに吹っ飛んだ、麻酔科医の成増貴子。あえての勝気そうなメイクに、額を全面に出した吉瀬美智子の役作りが光る看護師長の津幡玲子。長台詞で噛んでしまったものの、それが「自然でいい」と採用された、星前宏太医師を演じる千葉雄大の演技。とにかく繊細で多種の要素が絡み合って、『アンメット』が作られている。

その中でも際立っているのが、若葉さん演じる三瓶友治だ。無精髭にくしゃくしゃパーマ、登場だけで「あ、喫煙者だよね」と言いたくなる風貌を従えて、三瓶先生は登場した。お茶の間……ではなく、現代風に言うのならリビングが騒ついた。
○どうやら歌もうまいらしい

劇中、三瓶先生の役作りで膝を打ったのは、感情はもちろん表情ゼロで演技をしていることだ。唯一、第六話でミヤビの処方箋に手を加えていた大迫へ怒りを露にしたシーンがあった。ただ紙を床に打ちつけただけで、表情や声色が苛烈することはない。それでも三瓶の思いはテレビ画面いっぱいに響く。

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