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ケニア人医師が日本のがん治療を学ぶ - オリンパスの内視鏡を通して見える未来

マイナビニュース / 2024年5月31日 17時48分

そうした状況を打破するため、2013年からは内視鏡技術に関するフェローシッププログラムを国内で開始したという。しかしそれでも年間3~5人ほどを育成するにとどまっており、がんの早期発見を実現する医療体制の構築に向けて、医師数の増加が求められる状況に変わりはない。
○日本医療の特徴は「明確なプロセス」と「チームワーク」

では、九大病院での研修を経て医師たちは何を感じたのだろうか。ある医師は研修で印象的だったこととして、「患者のスクリーニングプロセスが順序だてられていた」ことを挙げた。「ベーシックな症例から、より高度な治療が必要な症例まで、さまざまな症例が並んでいるのは日本もケニアも一緒。しかし日本では、明確なプロセスに沿って効率よく対処しているのが印象的だった」と語った。

また、日本では病理の医師が診療に関わっている点も目に留まったとのこと。ケニアではその役割を外部に委ねているために、判断に時間を要したりコミュニケーションの不都合が生じる場合があるのに対し、日本ではチームが一体となって動いているため、リアルタイムでのフィードバックが治療に反映できていると感じたという。
○両国間の平均寿命に生じた20年の差を埋めるために

では彼らは、ケニアに何を持ち帰るのか。ある医師は、「日本では内視鏡など最先端の機器が充実していた」とする一方で、「ケニアでも日本と同じくオリンパスの機材を使用している」と話す。そのためより重要なのは「内視鏡をいかにして使いこなすか、どのような方法でがんを見るのか」だとするとともに、「日本では医療現場におけるチームワークに関して多くの学びがあったので、ケニアにも持ち帰って実現したい」とした。

「ケニアと日本では、平均寿命におよそ20年の差がある。ケニアに戻ってからは、今回重要だと感じた早期発見について追求していくとともに、内視鏡を使った医療技術としてESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を学んだので、引き続き学んでケニアでも患者に施術できるよう、さらに高めていきたい。」

最先端の医療現場で治療にあたるとともに、母国の次世代医療を担う人材を育てることが求められる5名の医師たちにとって、日本での約1か月間は大きな分岐点になっているかもしれない。がんの早期発見に不可欠な内視鏡技術をオリンパスが伝えることで、これから多くの命が守られることだろう。
(鶴海大輔)



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