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アウトドアチェアのベストセラー、Helinox『チェアワン』と夏フェスの悩ましい関係

マイナビニュース / 2024年6月8日 7時30分

見たいバンドを追っていくつものステージを巡るフェスは体力勝負で、休憩時に体を預けてリラックスできるチェアを持っていなければ、疲れ果ててライブを楽しむどころではなくなってしまうのだ。
フジロックには初期から参加していた僕は、『チェアワン』以前、某メーカーの大きめな折りたたみ式アウトドアチェアを持参していた。
そのチェアも座り心地は良く重宝していたのだが、なにぶんにもサイズがでかく、たたんで肩に背負って運ぶのがちょっと大変だった。

誰もが同じようなことを感じていたようで、僕が購入した頃から、『チェアワン』はフジロック会場で大増殖していった。

しかし現在、フジロックへの『チェアワン』持ち込みは禁止されている。
2020年から公式に、Helinox『チェアワン』に代表される"組立式アウトドアチェア"の持ち込み禁止がアナウンスされた。
理由は、「折りたたまずに持ち運ぶ人が多く、フレームの突起部が他の来場者にぶつかり大変危険」ということだった。

確かに、禁止になる前から会場では『チェアワン』の使用法が問題視され、主催者側から注意喚起がされていた。
『チェアワン』はあまりにも軽くてコンパクトなため、いちいち折りたたまず、展開したまま頭にかぶって移動する人が多かったのだ。
座面を頭にかぶって歩くと、アルミポールの脚部が後ろを歩く人に向かって突き出る形になり、確かに危険だった。

こればかりは使用者側のマナーの問題であり、優秀すぎるチェアを作ってしまったためにバンされたHelinoxとしては、内心忸怩たる思いがあるだろう。
今年2024年に行われるフジロックのHPにも、組み立て式アウトドアチェアの持ち込み禁止は相変わらずしっかりと書かれているので、いまだこの問題は解決していないようだ。

Helinoxの商品ラインナップを見ると、そうしたことへの対応なのか、突き出す脚部のない『インクラインフェスティバルチェア』という商品もあるが、組み立て式であることには変わりなく、これも持ち込み禁止になるのかな?
フジロック以外のフェスだったらOKなのだろうか?

現在進行形の問題なので、ここではっきりしたことは書けないが、夏フェスとチェアの関係は、なかなか悩ましい局面が続いているようだ。

それはまあさておき、Helinox『チェアワン』はやっぱり素晴らしいアイテムなので、僕は正しい使い方でこれからも愛用していきたいと思う。

フジロックでも使いたいんだけどなあ……。

文・写真/佐藤誠二朗

佐藤誠二朗 さとうせいじろう 編集者/ライター、コラムニスト。1969年東京生まれ。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わり、2000〜2009年は「smart」編集長。カルチャー、ファッションを中心にしながら、アウトドア、デュアルライフ、時事、エンタメ、旅行、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動中。著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』(集英社 2018)、『日本懐かしスニーカー大全』(辰巳出版 2020)、『オフィシャル・サブカルオヤジ・ハンドブック』(集英社 2021)。ほか編著書多数。新刊『山の家のスローバラード 東京⇆山中湖 行ったり来たりのデュアルライフ』発売。
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(佐藤誠二朗)



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