佐野正弘のケータイ業界情報局 第128回 性能も値段も上がった新iPadの登場で、タブレットの選び方を見直す時が来た
マイナビニュース / 2024年6月7日 21時45分
スマートフォン新製品の発表ラッシュが続いた2024年5月ですが、振り返ると米アップルが、1年以上新機種投入がなかった「iPad」シリーズの新機種を発表しています。機能・性能の向上などが注目される一方、値段の高さが落胆の声を招いたのは確かです。iPadシリーズの価格は円安の影響だけでなく、アップルの戦略による位置付けの変化も影響しているだけに、消費者も端末選びの考え方を変えていく必要がありそうです。
Macと同等の性能は動画視聴にはオーバースペック
2024年5月は、怒涛のスマートフォン新機種発表ラッシュでした。筆者が把握する限りではありますが、およそ2週間のうちに8メーカー・16機種が発表されており、いかに短期間のうちにメーカー各社の発表が集中したかが理解できるかと思います。
ですが、5月に新機種発表が相次いだのはスマートフォンだけではありません。タブレットの新機種もいくつかのメーカーから発表されたのですが、なかでも大きな注目を集めたのは、やはりアップルの「iPad」シリーズの新機種でしょう。アップルは2023年、iPadシリーズの新機種を1台も投入しなかっただけに、新機種を待ち望む声が多かったのは確かです。
同社は日本時間の2024年5月7日に、「iPad Air」の第6世代と「iPad Pro」の第7世代モデルを発表しました。いずれも、詳細はすでに多くの報道がなされている通りでご存知の人も多いかと思いますが、簡単に振り返ると第6世代iPad Airは従来の11インチモデルに加えて大画面の13インチモデルが追加されたほか、チップセットがより性能の高い「M2」に進化し、ベースの性能も向上しています。
一方の第7世代iPad Proは、ディスプレイにiPadシリーズとして初めて有機ELを採用し、輝度を高めるとともに5mm台という驚異的な本体の薄さを実現。加えて、新開発のチップセット「M4」をMacに先駆けて搭載し、さらなる性能向上が図られているのが大きなポイントとなっています。
一方で価格に関しては、やはり円安の影響もあって価格が高騰し、落胆を招いたことも確かです。実際、第6世代iPad Airは11インチモデルの最も安い構成で98,800円と、ほぼ10万円というべき価格。第7世代iPad Proに至っては、同じ11インチモデルの最安構成で168,800円からと、一般消費者が手を出すのは難しい価格であることが分かります。
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