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エンタープライズIT新潮流 第28回 「私、失敗を奨励します」 - Fail Fistで成功へ反転させるために

マイナビニュース / 2024年6月10日 7時0分

残念ながら、私たちには先を見通す予知能力はありません。経験によってある程度は予測できますが、すべてのお客様の気持ちを理解することはできません。データが取得できるような分野は機械学習が進化して、ある程度予測の精度が上がってきましたが、人間相手に、しかも、マスを相手に仕事をしている場合、最初に考えたことがドンピシャ当たることはそれほど多くありません。

そういう意味では、経験と勘でスタートして、予測型のアナリティクスや機械学習を駆使しながら、失敗したらそれを成功につなげていくこと、または早期に中止して痛手を最小限に抑えることが求められるのでしょうね。筆者はマーケティングで失敗したって、マーケティング予算を少し無駄にするくらいで、そんなのまた取り返してやると楽観視しています(CEOに怒られそうですが)。

実施してみて、そこから知見を得て、修正していく、この連続こそが大事なのです。これは、日本で一般的なPDCAとは違います。PDCAはその1周のサイクルが比較的長いので、迅速に正しい方向に舵を切るのが難しいかと思います。やるべきことは、アジャイルです。短期のスクラムを成功のために回していくのです。

「マシュマロチャレンジ」という、チームで実施するゲームがあります。マシュマロとスパゲッティの乾麺を使って、一番高い塔を建てたチームが勝ちというルールです。このゲームに勝利するチームとは、あれやこれやと考えるために時間を使うのではなく、試行錯誤を繰り返すチームなのです。

ただ、失敗には、避けなければいけない失敗と、改善できる失敗、もしくは学習から将来回避できる失敗があります。また、別の視点から、経営へのインパクト度合いも考慮しないといけません。改善でき、かつ、改善して経営に好影響するという範囲の中で、私たちは失敗する必要がありますね。成功のための失敗です。たとえば、日々のオペレーションなどがそうだと思います。

Worked Well / Did Not Work Wellで結果を振り返る

ではここから、(多少の)失敗から回復するための方法を紹介します。筆者は仕事柄、オペレーションで四半期のレビューや月ごとのレビューを受ける機会が多いです。そのときに特に力を入れるのは、Worked Well(うまくいった点)とDid Not Work Well(うまくいかなかった点)です。

Worked Wellは、うまくいった点を認め、今後も継続する、他のグループにベストプラクティスとして共有する項目です。Worked Wellは褒められてとても気持ちいいですが、筆者がさらに注力するのはDid Not Work Wellの方です。これは実行してみたけどうまくいかなかった点です。なぜなら、ここが宝の山だからです。実施していないことについては、機会やチャレンジとして列挙します。

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