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1台1台異なる冷蔵庫を生産、パナソニック草津工場の品質の秘密を探る

マイナビニュース / 2024年6月7日 23時1分

庫内のガラストレーやケースの取り付け工程を横目に見ながら、次の作業場に移動します。庫内のパーツは、高い位置のものから順番に取り付けていくのだそうです。1台1台違う機種なのでどのパーツを取り付ければよいのか迷ってしまいそうですが、いくつも並んでいるパーツのうち、次の製品に取り付けるべきもののランプを光らせるなどして、すぐにわかるようにしています。

次に見学したのはドアの取り付け工程。とくにビス締め工程は、ドアが開閉時に外れてしまっては危険なため、重要です。ここではビス本数不足や締め付け強度不足、斜め締め付けなどを検出できる特殊なドライバーを使って作業を行い、NG判定となった場合はラインが自動停止するようになっているそうです。

続いては組み立て後の製品の最終チェックする工程を見学しました。ドアや庫内の傷、開閉のスムーズさの確認など、機械ではチェックが難しいものを人間の眼でチェックしています。

○真夏や真夏の室内を試験室で再現してテスト。ドアにはガラス瓶をぶつける!

ここまでは実際の製品生産ラインの見学でしたが、このあとは開発時の試験などを行うエリアを見ることができました。見学できたのは高温/冷温下での冷却性能の試験、ガラスドアの強度試験、ドア開閉の耐久試験の3つです。

高温/冷温下での冷却性能の試験は、温度を管理できる試験室内に冷蔵庫を設置して行います。高温の試験室では、室温が高くても冷却性能に問題がないかを確認します。逆に低温の試験室では、霜付きなどを確認します。これらの試験は通常、設計~量産前の段階で行うことが多いのだそうです。

次はガラスドアの強度試験。ここでは、ガラス瓶をガラスドアにぶつけ、傷などが生じないことを確認します。ガラス瓶をぶつけるのは、それがいちばんハードだからだそう。金属製の鍋などはあるていど変形して衝撃を吸収するため、ぶつかってもドアは割れにくいのだとか。この強度試験を行うのも、基本的には設計のタイミングになります。

ちなみに、冷蔵庫のドアは一時期ガラスドアが主流になりましたが、現在は鋼板への揺り戻しがきているそうです。ガラスドアが主流になったのは主に意匠面が評価されてのことだったようですが、曲げ加工の技術の進歩により、鋼板でも精度の高い加工が可能になったのがその理由のひとつだと話していました。

最後は開閉の耐久試験を見学しました。この試験は、パッキンがいたみやすい条件ということで、低音の部屋で行います。実際に機械がドア/コンテナの開け閉めを繰り返していましたが、問題が起こることはほとんどないそうです。

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