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エイベックスが挑む「大麻布」の商品化、日本のものづくり文化を世界へ

マイナビニュース / 2024年6月13日 6時53分

しかし、海外イベントへの出展ということで、日本の歴史的なものづくりに対する考え方をどう伝えるのが良いか悩んだとのこと。ミラノサローネに出展する企業は、コンセプトを1つに絞って展示を行うことも多く、当初プロジェクトチームでも1つに絞った分かりやすい展示の方が海外の人に伝わるのではないかという意見もあったという。

しかし、素材プロダクトとしての機能性を伝える展示と、ストーリーを重視した歴史的な部分の展示の両面とも重要と考えた結果、どちらも捨てることはできなかったという。渡部氏は「本当に空振りして何も残らないか、打つべき人にホームランを打ってもらうか。極論1人の人に刺されば良いと思って大勝負にでましたが、内心はとても不安で仕方なかったです」と、その当時の心境を語る。

majotaeチームは、"大麻″という言葉がもつ強さを理解した上で、大麻布が持っている長い歴史も含めて発信を行うという軸をぶらさないことを信念にミラノサローネでの展示の在り方を決め、現地に臨んだ。


いざ、ミラノサローネへ

ミラノサローネでは2会場にて展示が行われた。

1つ目の会場「Secci Milano」では、majotaeのルーツである、日本の大麻布に関するアーカイブコレクションの展示を行い、素材としての魅力や機能性などを体感してもらうことを目的に空間を演出。

2つ目の会場「Berta」では、majotaeの世界観を味わってもらうため日本の伝統的な機織り屋を再現。機織り職人による実演的なインスタレーションを通じて、途絶えかけていた日本の大麻布をはじめとするテキスタイルのクラフト文化を維持、進化してくことができる仕組みをつくることの重要性を発信した。

「江戸時代の世界観を再現するため、会場内もほぼ掃除をせず、薄暗い中でひっそりと機織りをしている様子を格子越しから覗く感覚でみてもらいました。言葉で説明するというよりかは世界観を肌で感じてもらうことを意識しました」と渡部氏はコンセプトを説明する。

出展ブースの配置に関しても、200年〜300年前にボタン製造というmajotaeと同じようなものづくりが行われていた場所を選定。2つの会場は距離が離れており、土地勘のない来場者には両会場とも訪れてもらえないリスクも考えられたが、「大麻布が作られていた江戸時代と同じような時代にものづくりが行われていた場所であれば、当時の空気感を再現でき、直感的に感じてもらえる空間が作れると考えていたので場所性は大事にしたかったのです」とこだわりを強調する。

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