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広島大、肝臓病を超音波を用いて正確に診断する新たな検査方法を発見 

マイナビニュース / 2024年6月12日 20時44分

今回の研究では、2019年9月から2022年12月までの間に肝生検を受けたMASLDの疑いがある患者159人を対象に、せん断波と分散勾配の測定が行われた。肝生検によって肝臓の線維化はF0~F4、炎症はA0~A3に分類される。それぞれのステージとせん断波、分散勾配の比較解析が行われ、病理診断と超音波診断の一致度が調査された。その結果、せん断波は肝線維化の程度(肝臓組織の硬さ)を、分散勾配は肝臓の炎症の程度(肝臓の粘性)を正確に反映することが確認されたとした。

次に、炎症がせん断波値に与える影響を検討するため、肝生検結果とせん断波の結果が一致しない患者の検索が行われた。そのうち、肝生検の結果がF0-1という、肝線維化が進行していない患者91人が対象とされた。肝生検とせん断波の結果が一致した群は「Correct Diagnosis group」、肝生検とせん断波の結果が異なった群は「Incorrect Diagnosis group」とされた。両群間で分散勾配値の比較が行われ、分散勾配のカットオフ値が算出された。その結果、カットオフ値は13.2m/s/kHzとなり、この値を超える場合は、炎症によりせん断波値に影響を与えることが判明したという。

今回の研究により、超音波を用いたせん断波と分散勾配がMASLD患者の肝線維化と炎症の評価において有用であることが示され、従来の肝生検に代わる有用な方法となり得ることが示された。また、分散勾配値が13.2m/s/kHzを超える場合、炎症による影響を考慮する必要があることも明らかにされた。これにより、痛みがなく繰り返し検査できる方法でより正確な診断が可能となり、患者の治療方針の決定に役立つことが期待されるとしている。
(波留久泉)



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